九大MBA受講を機に独立
父親の会社を買収した企業は三田村氏の力量に舌を巻き、将来の経営幹部候補して期待を寄せるようになった。三田村氏は今でも成長の場を与えてくれた会社へ感謝している。
2002年の終わりにNHKのニュースで九州大学がMBA(経営学大学院)の授業を開始することを報じていた。「これだ」と思った三田村氏はすぐさま願書を取り寄せ03年4月に第1期生として入学した。在学中の同年11月に(有)三田村水産(現:グローバルシーフーズ)を設立した。
最初に手掛けたのは「ナマコ」の輸出である。かつて父親の会社で韓国向けに「ナマコ」の輸出を手掛けた時期があった。一時はかなり大きな利益を生んだこともある。そうした記憶に加え中国での「ナマコ」の市場はきわめて大きい。何より日本と中国には江戸時代から続く「ナマコ」の貿易の歴史がある。これで成功すれば一気に中国の水産物市場に食い込める。大分港で加工した商品を下関まで運んで輸出して福岡の事務所に帰る。という生活を繰り返した。睡眠時間は3~4時間とれれば良いほうで、時には2日間徹夜ということもあった。それでも初年度の売上はわずかに600万円。スーツケースいっぱいの「ナマコ」を香港の乾物街「上環エリア」に持ち込み、身振り手振り、時には筆談で交渉した。ビジネスで最もシビアといわれる国で価格をたたかれまくった。その経験がビジネスの糧となった。次第に販路が拡大。この時期に明太子工場の建設にも乗り出していく。
[COMPANY INFORMATION]
(株)グローバル・シーフーズ
代 表:三田村道洋
所在地:福岡市中央区長浜3-11-3-504
設立:2003年11月
資本金:2,305万円
業 種:水産物貿易・製造販売
電 話:092-791-5113
http://www.global-seafood.jp/
*記事へのご意見はこちら
※記事へのご意見はこちら