7月下旬、上海市政府は2010年中「エコ・ライト1,200万個使用促進」キャンペーンを発表しました。実施は8月からですが、同政府は、目標として「電気の6億キロワット節約」と「CO2排出量の60万トン減少」を掲げています。
<キャンペーン実施の背景>
同キャンペーンは、上海市政府による「省エネ CO2排出減」活動の一環として位置づけられています。エコ・ライト使用促進のほかにも、今年は更に50万台の省エネエアコンを推し進めるということです。
現在開催中の上海万博も、CO2排出減のモデルとして運営されています。中国国家館、テーマ館、万博文化センターなどで太陽光発電を用いることで、4000トンのCO2排出減につながると予測されています。
<キャンペーンの内容>
今回は、エコ・ライト使用を促進するのに、中央政府が50%、上海市政府が20%の購入代金を補助するということです。住民が所属する「居民委員会」(日本の自治体に相当)からもらった購入優遇券に基づき、1世帯が最大で5個を購入することができます。政府からの強力な支援によって、市民が市販価格よりも遥かに安くの3人民元(約39円)でエコ・ライトを入手できるのです。
市民の便宜を図るため、購入方法においてふたつの選択肢が提供されています。
(1) 指定のメーカーが直接住宅団地に配送する。
(2) 地域ごとに専門の販売拠点(ひとつの地域で最低2カ所)を設け、住民が指定期間中に購入する。
<実績>
実際に、去年も同じようなキャンペーンを実施したところ、全市の3分の1の家庭がエコ・ライトを使用するようになりました。それ以来、5億キロワットの電気を節約したほかに、50万トンのCO2排出量を抑えたという試算があるそうです。
全国の状況を見ますと、2009年には1億2,000個のエコ・ライトが普及し、62億キロワットの電気節約と、620万トンのCO2排出量減が達成されたといわれています。
【劉 剛(りゅう ごう)氏 略歴】
1973年12月生まれ。中国上海出身。上海の大学を経て、96年に地元の人材派遣会社に入社。10年3月より福岡に常駐。趣味は読書。
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