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コダマの核心

激突「ぺー・ジェー・セー・デーVS東京アート」(7)~三木さん! 法的知識を駆使しても経営は大丈夫?
コダマの核心
2010年8月 9日 10:48

9.理不尽な商品出荷ストップ

 そして2009年12月18日、(資料4)に見られる商品出荷停止が送りつけられてきた。と同時に、具体的に出荷停止がなされたのである。
 ここで、Pe社と東京アートのビジネス関係に少し触れてみよう。まず、Pe社が「ネット通販」でお客から化粧品の注文を受ける。すると、Pe社は東京アートに配送の指示をすることになる。ここで注目することが一つある。東京アートはデリバリーの役割だけをこなしてきたのではないということだ。
 Pe 社は以前から、化粧品の原料をフランスから調達してきた。当然、日本で原料から製品化する工程が必要となる。従来は、Pe社がこの生命線である工程を押さえていた。ところが、この重要な工程を東京アートに任せていたのである。いかに金の工面を受けていた負い目があるにしろ、企業の機関部までを東京アートに託していた野田氏の、経営戦略上の甘さに対する謗りは免れない。出荷停止はPe社にとって、喉元にナイフを突きつけられたようなものであった。
 これで三木氏は、「Pe社=野田氏はギブアップする」と読んだ。しかし、意外な事態になった。野田氏のしぶとい反撃を浴びた(この件は次回に触れる)。東京アート=三木氏側には、短期勝負をかけなければいけない理由があった。(5)で紹介した公正証書の中身である。「支払いに関しては別途協議する」と謳ってあることだ。
 それに対して(6)で登場した催告書には、「平成21年9月末日までに返済されないから出荷停止しその後、破産の申し立てもする」という文言が書き並べられていた。公正証書の中味と大きく食い違っている。時間をかけて法律論争を展開すれば、東京アートが不利になるのは目に見えている。三木氏としてみれば、速攻攻撃でPe社=野田陣営が白旗を掲げることを期待していたのであろう。
 (6)で触れたように、東京アート=三木氏側は顧問弁護士である平田弁護士から大阪市の曽我乙彦弁護士に乗り変えた。「今までの経緯に精通している平田弁護士では、強引な策は打てない」と判断したかは定かではない(曽我弁護士が「勝てるよ」と助言したことも考えられる)。はっきりしていることは、三木氏は「Pe社=野田陣営が短期間に降参すれば、臭い物にも蓋で塞がれる」という見通しを抱いていたのである。付記しておくと、東京アートはPe社の株主でもあるのだ。

【資料4】
資料4
(つづく)

東京アート(株)
代 表:代表取締役会長 三木 正市
所在地:東京都中央区新川1丁目23番5号
業 種:紙器印刷他

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