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減少した福岡の緑を新たに創出するために~(社)福岡市造園建設業協会
建設
2010年8月13日 08:00

(社)福岡市造園建設業協会 会長 別府 壽信 氏

<緑の減少を食い止めたい>

 ―まず、福岡市造園建設業協会の成り立ちと活動内容をお願いします。

(社)福岡市造園建設業協会 会長 別府 壽信 氏 別府 1965年5月に発足した任意団体「福岡市造園親交会」が、当協会の前身です。それから45年、途中の87年7月に社団法人となって23年経ちました。造園業の健全な育成発展、都市の緑の整備、市民に対する緑の普及啓発などの面で、行政に協力している団体となります。
 実は、福岡市の緑は09年までの11年間で665ヘクタールも減少しているというデータがあります。大濠公園の16.6個分に相当します。都市開発が進んだこともあるのでしょうが、このままでいいのでしょうか。ぜひ、緑の減少はくい止めなければなりません。地球温暖化やヒートアイランド現象など環境問題に対応した緑の充実がとくに重要だと思います。

 ―それに対して、行政は何か手を打っていないのでしょうか。

 別府 福岡市では、「福岡市 新・緑の基本計画」が昨年5月に策定されました。中身は大変すばらしい内容で、福岡市における今後10年の緑の展望について計画されています。私ども協会も市民の皆さんと一体となって、この早期実現に向けて協力体制をつくっていきたいと思います。

 とくに、そのなかにある「緑化地域制度」については、早期の創設が必要だと思います。「緑化地域制度」とは、緑が不足している市街地などにおいて敷地面積が一定規模以上の建築物の新築や増築を行なう場合に、敷地面積の一定以上の緑化を義務付ける制度です。この制度が創設されれば、福岡市からの財政支出の負担軽減や市街地の緑の創出に大きく貢献してくれるものと期待しております。
 また、福岡市が標榜しております「九州・アジア新時代の交流拠点づくり」についてですが、今年7月にはビザが大緩和されて中国から、来年には九州新幹線とKTXの開通で国内外から、たくさんの方々が福岡にお見えになるでしょう。この絶好の機会を通して「風格ある緑豊かな環境共生都市 福岡」の構築に市民は注目しています。
 空港・港・駅から迎えるホスピタリティーとしての景観づくりはこのくらいでいいのでしょうか?福岡の歴史・文化を生かしたルートづくりや拠点づくりはどうでしょうか?この件も、最優先項目として早急に対応すべきであると考えます。

<緑の6つの役割>

 ―そもそも、緑を創出するとの意義とは。

 別府 緑には大きく分けて6つの役割があります。
 1つ目は都市環境の改善。これは、ヒートアイランド現象の緩和、CO2の吸収とO2の供給、大気中の浮遊物の吸着、雨水の保水機能、気候や水循環のコントロールといった、都市独特の環境を良くする機能があります。
 2つ目は生物の生息・生育環境の維持。緑があることで、生態系を支える基盤ができ、そこが多様な生物の生息地となり、ひいてはエコロジカルネットワークの形成につながります。
 3つ目は災害の防止、避難地の確保。木は防風、防火、土砂流出・崩壊の防止、洪水の緩和などに役立ちます。
 4つ目はレクリエーションの場の提供。緑のなかを歩くことでストレスや疲れを癒せますし、休養、遊び、健康増進の場として必要です。
 5つ目は美しくやすらぎのある風景の形成。コンクリートだけでは味気ない都会の風景も、緑で彩られることで美しくなりますしやすらぎを与えてくれます。原風景の形成と言ってもいいでしょう。
 6つ目は歴史的風土の継承。寺社仏閣や名勝の庭園などには、必ずといっていいほど緑があります。それは歴史を物語る要素ですし、その土地の風土を構成する大事な要素でもあります。
 以上、6つの点が、人々の豊かな生活を生みだすための緑の大切な役割となります。

<剪定枝処分の問題点>
 
 ―業界としての問題はありますか。

 別府 一般廃棄物の問題が大きいですね。「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」のなかに一般廃棄物に関するものがあって、簡単に言いますと事業者自らが廃棄しなければならないと定められています。では、事業者とはいったいどこまでを指すのかというと、実は都市ごとに見解の相違があるのです。たとえば、福岡市の場合は元請業者のみOKだというのが、現在の環境局の見解のようです。ただ、私たちのような建設業は、事業形態として元請、下請、孫請と分かれているのが一般的です。つまり、下請や孫請が廃棄すると法律違反になるわけです。

 ―それによって、どのような問題が生じるのですか。

 別府 もし仮に、元請業者がすべて自分でゴミ処理場に剪定枝を持っていくとなると、仕事をストップせざるを得ません。仕事をもっと円滑にできる方法を模索中です。
 福岡市が管理するゴミ処理場である「緑のリサイクルセンター」の受け入れ時間は、16時までと厳密に決まっています。街路樹の剪定は道路を半分通行止めにしてする仕事ですから、剪定枝をそのまま道路に放置しておくわけにはいきません。そのため、どうしても15時には作業を止めなければならないという事態になります。これでは管理業務がうまくいかないのです。これも環境局に改善をお願いしているのですが、受け入れられないのが現状です。もう少し時間を延長してもらい、なおかつ下請、孫請が元請の責任によって廃棄できる仕組みが必要だと思います。
 維持管理の業務は、緑の持つ機能性や風景をつくるだけでなく、街路樹は福岡の顔であるとともに市民の大切な財産ですので、とくに重要な課題だと思っています。

【協会概要】
所在地:福岡市中央区渡辺通り5-24-30
TEL:092-711-9760

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