住宅金融支援機構の調査によると、住宅ローンの新規契約者のうち変動型金利を選ぶ人の割合は、2007年１月の9.4％から今年に入り50％前後に増加している。日本銀行の超低金利政策を背景に、適用金利が1％以下の商品が登場するなど主要各行顧客の囲い込みに余念がない。設備投資の低迷で、法人向けの融資がジリ貧の中、住宅ローンなどで個人顧客との取引を伸ばしたいという銀行側の思惑と、マイホームを何とかして取得したいというユーザー側の心理が"一致"している。住宅販売会社も「現況販売促進の側面から、当面の返済額が少ない変動型のローンを勧めている」というケースが現在は多いという。
　だが、今後景気が回復し市場金利が上昇すれば、ローン金利も上がるであろう。住宅ローンに詳しい専門家は、「住宅購入時は、安易に変動型を選択するのではなく慎重に検討して貰いたい。変動型を選択する時は、余裕を持った返済計画を立てるべきであろう。金利が上昇して、資金が逼迫するような事態が起きないように、しっかりと専門家と相談して当事者においての変動型と固定型のメリット、デメリットを精査して住宅取得して貰いたい」と語る。
　30歳前後の所帯を中心に、「住宅取得する・したい」という意欲が高まる中、一歩引いて返済方法については、慎重になって戴きたい。

【河原　清明】

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