現職・吉田市長にとって「神様より頼りがいのある存在」は、江藤博美・民主党福岡市議会議員だ。彼がいなければ、民主党への推薦願は蹴飛ばされるところだった。もちろん、江藤氏にとっても、吉田市長の推薦願の実現ができなければ政治的威信を無くすことになる。そのことは充分に承知しているだろう。だから必死になって、推薦を巡る党内抗争のなかで体を張っているのである。
福岡市民主党市議会議員たちに江藤氏の政治力の源とは何か、聞いてみた。誰もが「政治理念があるわけでもなく人間的魅力があるわけでもないのだが...」と首をひねる。だが、「ここ一番で勝負してきた政治キャリアがパワーになっている」と指摘する声があった。社会党をふりだしに社民党へ。その後、民主党の旗揚げに馳せ参じた。その政治決断と実績が財産になっているという。
しかも福岡市議団では最古参の議員。この自負心はたいしたもの。市議団でいろいろと議論伯仲する。議論の最後には江藤氏が「俺が責任を取るから文句があるか!」と一喝。そう言われると新参市議議員たちは従うしかないそうだ。
8月15日、民主党福岡県連の臨時常幹会で流れが決まった。吉田市長への推薦はほぼ内定した。さすが江藤氏の腕力といったところだ。
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