＜目的＞
　近年、大企業による海外シフトの動きが再び加速する気配を見せている。そのなかで、中小企業は、短期的には大企業からの受注機会の減少、中・長期的には国内市場の縮小という課題に直面しており、その打開策として海外展開を検討する動きが再び高まりを見せているのだ。
　その反面、地場の中小企業には、海外の知的財産関連の最新情報・実情に触れる機会が少なく、現地事情に適合した知的財産のマネジメントを含むビジネスモデルを構築する知識・ノウハウが乏しい。今後に向けての課題は山積みである。
　また、海外、特に今劇的に成長している中国での事業展開を検討する際に、自社製品や技術の流出などを懸念し、最終的に断念するケースが多く見られる。さらに、日本側の懸念・状況を、中国・韓国両政府や企業などが正しく認識しているとは言い難い現状がある。
　そこで、九州・中国・韓国の民間企業、教育・研究機関、官公庁（産学官）の関係者が一堂に集う「環黄海経済・技術交流会議」の枠組みを活用し、九州の産学官トップが上記のような九州側の状況・知的財産を重視する姿勢について中国・韓国両政府、関係機関などに直接かつ率直に伝達。それと同時に、九州の中小企業経営者に対して、両国の知的財産関連情報を実情に即しつつ提供・普及啓発を行なうことで、知的財産を有効に活用したアジアワイドでの事業展開促進に質することを目的としている。