8月11日、中国国家統計局は「7月のCPI(消費者物価指数)が去年同期比で3.3%上昇」と発表しました。この数字は21カ月ぶりの記録更新となります。では、日常生活において、国民はどのようにこの物価指数の変動を実感しているでしょうか。本当に3.3%に合っているでしょうか。ひとつひとつの項目ごとに検証してみましょう。
1.家賃
今年(2010年)の4月中旬、急騰してきた物件価格を抑えるため、中央政府から「史上最も厳しい」と言われた不動産取り締り策が打ち出されました。それ以降、マンション売買価格上昇の勢いが治まりつつあります。しかし、重要都市における賃貸マンションの家賃に限っては、うなぎ上りです。
北京最大の情報ウェブサイトによると、北京の平均家賃は、既に3,000人民元台(約3万9,000円)に上り、去年より25%増。6月だけ見れば2009年同期比で15.8%の価格上昇を見せました。
実際に、上海で就職している李さんの借りていた2LDKのマンションは、年初の家賃が月額2,000人民元。ところが、「20%の値上げをする」と大家が言ってきたので、仕方なく彼は、少し離れたところに引っ越しました。
その一方で、家賃の急上昇にも関わらず、賃貸市場が活況を呈しています。上海にある「21世紀不動産」のデータによると、6月、同社の賃貸マンション成約件数は去年の3倍に。4カ月連続で高い水準を保っています。
2.交通費
上海で3年前から起業している王さんの話では、去年よりも会社の交通費が少なくとも10%増えたそうです。去年10月、上海タクシーの初乗り料金が11人民元(約143円)から12人民元(約156円)に、その後のkm単位の値段も2.10人民元(約27円)から2.40人民元(約31円)に調整されました。計算では平均利用料が10%増えることになります。
王さんはまた、航空券料金についてあることを話しています。去年は1日早く予約すれば、割引チケットがいつもありました。しかし、今年に入って、割引のチケットがあまり手に入らなくなったそうです。東方航空のある幹部によると、今年の需要が毎月2ケタの伸び率を続けていて、珍しい好景気を浴びているそうです。
また、旅行関係チケットの販売を行なうウェブサイト「黄金休日」では、7月26日から8月1日までの期間に、販売したチケットが去年同期比で13.33%の値上げ。また、8月2日から8日までの期間においては、さらに7.78%アップしました。今まで価格の変動がなかったファーストクラスやビジネスクラスのチケットも20%以上アップしているそうです。
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