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JAL更生計画 浮上した社長交代(上)
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2010年8月23日 08:00

 たった半年前に就任したばかりの日本航空(JAL)の大西 賢社長(55)の命脈に、早くも赤信号が点灯している。JAL経営陣の不甲斐なさに呆れている稲盛和夫会長(京セラ名誉会長)が、経営陣の刷新をほのめかしているのである。

 大西氏は8月12日、今回で四半世紀を迎える日航ジャンボ機事故の慰霊で御巣鷹の尾根を登った際、万感の想いを断ち切れなかったのだろう、顔をしわくちゃにして号泣した。もちろん厳粛な慰霊の気持ちに由来したのだろうが、彼のあまりの号泣ぶりを「奇異」に感じたJALの関係者少なくなかった。「経営再建、あるいは役員人事の見直しで、そうとうのプレッシャーを感じているのではないか」。そう、大西氏を知るJALの元役員は推測する。

 今年1月に会社更生の適用を申請して倒産し、企業再生支援機構などの公的な資金で救済されているにもかかわらず、JALの非常識な体質は改まらない。倒産時の社長だった西松遥氏が日航財団理事長に天下ったのを始め、取締役だった大島敏業氏が福岡空港ビルディングの副社長に、執行役員だった高橋淑夫氏が東証一部上場のグループ会社ジャルックスの副社長に、相次いで天下っているからである。稲盛会長には事実上「事後承諾」の人事だったといい、さすがに会長は激怒。以来、その後に予定していた天下り人事はすべて凍結されている。

 会社が倒産し、リストラをして経営再建の軌道に乗せなければならないのに、幹部たちがやった最初の仕事は自分たちの先輩や同じ派閥の構成員の天下りポストの確保である。これでは、不本意ながら職場を去らなければならなかった3,610人の社員たちも怒り心頭だろう。会長を引き受けて、いざJALに乗り込んでみると、経営幹部層にろくな人材がいない、というのが立志伝中の経営者である稲盛氏の偽らざる実感である。

「企業家精神にあふれた人、つまりいまのJALをもっと良い会社にしたいという熱い情熱を持った人が非常に少ない」

「損益をベースに考える人が非常に少ない。キミたちは八百屋さんさえつとまらないよ。朝仕入れたものが夕方売れ残っていてはダメなんだ」

 そうこぼしたことがある。

 稲盛氏は6月の記者会見で「8月末に更生計画が決まれば、人事を含めて再検討したい」と明言している。7月の記者会見ではさらに踏み込み、「JALを正しい経営に導くためには経営陣がしっかりしないといけません。管財人、社長、副社長と相談しながらふさわしい形にすべく考えております。おそらく本年いっぱいには新しい体制、組織を作っていこうと思っております」と言った。この発言あたりから、JAL社内では「経営陣の刷新がありうるのではないか」という観測がしきりだ。

(つづく)

【尾山 大将】

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