3.食料品
今年、特に全国的に話題になっているのはニンニクと緑豆です。7月に入って、全国規模でニンニクの価格が持続的に上昇、25日までで累計上げ幅が24.8%に。最も値上げした西部の山西省では、51.3%も値上げしました。
ニンニクの産地・山東省では、6月における1キロあたりの出荷価格は、8人民元(約104円)でした。それが7月の下旬には12人民元(約156円)までになっています。
南京市の市場では「綺麗なニンニクが豚肉より高いことすらある」と現地の新聞が報道。騒ぎを引き起こしています。
中国では夏、緑豆を原料とするスープやアイス・キャンデーが昔から親しまれています。しかし、去年、1kgで6人民元(約78円)だった緑豆が、急激に価格上昇。ピーク時の2010年5月、24人民元(約312円)に上り、最高記録を更新しました。その後、政府の介入がありましたが、7月下旬の時点で、北京ではまだ1kgあたり18人民元(約234円)の高値に留まっています。
市場関係者の分析では、天候不順によるニンニクや緑豆の不作、輸出量の増加や市場投機の頻発などが原因として指摘されています。
4.家電製品
家電製品の価格に小幅な下落傾向があります。ある民間調査機関が国内432都市の4,079カ所、家電量販店のデータによると1月から6月まで値下げの比率として、液晶テレビ6.4%、エアコン15.5%、冷蔵庫25.57%、洗濯機5.18%などを発表しました。
一方、国の家電製品利用促進優遇策のおかげで、1月から7月までの販売台数や売上高がそれぞれ1.8倍から2.4倍までに増えました。販売規模の拡大に伴い、メーカーが製品構成を調整し、価格も抑えることで最大利益を引き出す狙いがあると、専門家が分析しています。
5.衣料品
衣料品市場は、比較的穏やかな市況を見せています。上海で有名な「七浦服装市場」のほか、「29元均一」の張り紙も以前と変わりありません。
しかし、「値上げの可能性は低くはない」と同業界の人は言います。原材料の綿価格がすでに20%以上アップしたものの、小売価格はほぼ去年のまま。なぜなら、服飾業界では特に競争が激しく、皆が値上げに踏み切ることをためらっているからです。
その一方で、利益性向上のため、ブランド化などにより値上げするケースもあります。CPI(消費者物価指数)に対する実感は、消費者それぞれの立場によってかなり異なってくると思います。しかしながら、経済が持続的に上向きに進む以上、上昇していくのは必然と言ってもよいかもしれません。
【劉 剛(りゅう ごう)氏 略歴】
1973年12月生まれ。中国上海出身。上海の大学を経て、96年に地元の人材派遣会社に入社。10年3月より福岡に常駐。趣味は読書。
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