―最後に、阿久根市の副市長として、阿久根市の紹介をお願いします。
仙波 阿久根市には、素晴らしい海と山があります。ひとつの市に、有名な海水浴場が三ヵ所もあり、水も豊富で、たくさんの自然があるのです。市役所の施設も素晴らしい。
ただ、ここには高速道路が通っていません。特急列車も止まりません。ですから、それは大きなハンデだと思います。かえって、自然が保てるという点もありますが。
―阿久根市に住む人々についてはどうですか。
仙波 ここの方々は、本当に人柄がいいと思います。鹿児島の男性のことを薩摩隼人(はやと)と言いますが、鹿児島のなかでも、この阿久根の人々は人柄がいいですよ。
今、市政をめぐって竹原市長反対派の方々が町を二分したかのように言われていますが、竹原市長に対する「頑張ってほしい」という声も多いんです。
―竹原市長は、過去の出直し選では勝たれているわけですが、今回はどうでしょうか。
仙波 当時と今とでは状況が違いますからね。今は、ほとんどのマスコミの方が彼(竹原市長)のやっていることを悪く言っていますし、県知事からの2回にわたる勧告や、総理大臣の苦言なんかもあります。やはり、かなり厳しい状況だとは思いますよ。ただ、竹原市長反対派の方々が要求していたことは私が実現しようとしています。あとは何が必要なのか、私は反対派の方々に問いたいですね。
―将来的に、阿久根市はどうなっていくと思いますか。
仙波 この町は、日本のいろいろな都市に住んでいる方々が、仕事をリタイアした後に永住する町として、最期を迎える町として相応しい町です。日本には、こういった町はそう多くありません。今後は、土地も安くします。市長も、税金を安くするように、と言っていますし、本当に住みやすい町になると思いますよ。魚もおいしいし、果物もある。水もある。治安もいい。いずれは、高速道路も通るでしょう。そうすれば、アクセス面の問題も解消されます。台風の被害も、そんなにひどくありません。ここは、鹿児島のなかでも一番と言えるくらい、自然が素晴らしい場所です。ぜひ、仕事をリタイアした後に永住する町として考えていただきたいと思っています。
―ありがとうございました。
<プロフィール>
仙波 敏郎(せんば としろう)
1949(昭和24)年2月14日愛媛生まれ。愛媛県立松山東高等学校卒。67年、愛媛県警察官採用試験に満点で合格し、採用後最初の試験でもトップの成績を収める。73年には同期で最も早く巡査部長昇任試験に合格するも、裏金作りに必要として上司から依頼された偽領収書の作成を拒否。以後、定年まで巡査部長の階級に留まることになる。05年、現職の警官としては初めて裏金問題を告発。定年退職後は、裏金問題についての講演活動を行なう。10年7月、阿久根市長・竹原氏の専決によって同市の副市長に選任され、8月2日に就任した。著書に「現職警官『裏金』内部告発」(講談社)がある。
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