今回は、地場管理会社の(株)クローバー管理を訪問した。応対して頂いた松原代表取締役社長は、以前デベロッパーに在籍し、その後、同社を立ち上げた人物。同社の管理棟数は、数年後には50棟が見えるところまできているという中堅会社だ。
同社の特徴として、COM方式(分離発注)という手法を武器としている。管理会社が自社で出来ないような業務(エレベーター保守や機械式駐車場保守など)まで引き受け、それを外注するような方式を見直す。これらの業務を専門の保守会社や管理組合と直接契約することをトータルサポートするシステムだ。居住者から見えにくい中間マージンを排除したこのシステムは、管理費の内訳や管理の流れが明確になり、コストダウンを図れるという。支払いやマンション内の掲示文等についてもすべてマネジメントする契約で、管理組合や理事会の負担が増えることはないという。このシステムは今まで不明瞭なイメージのあった中間マージンという管理会社の聖域(?)にあえて踏み込んだ勇気ある行動と言える。
このシステムも注目に値するが、「品質」で勝負していく(人材育成やセミナー開催、上記システム運営等)という姿勢には今までの管理業界とは違う営業スタンスを強く感じた。近年の管理委託費の価格競争からは一歩引いたスタンスを取り、今後も続ける方針であるという。今までの解約率が0パーセントという事もうなづける気がする。
サービス業は、顧客本位に立つことが最初のスタートラインであり、ずっと根底にあり続けなくてはいけない。そうした誰しも理解しているようで忘れがちなセオリーを思い起こさせてくれた会社であった。
まだまだ、管理の数では大手には敵わないが、決して品質では負けないという同社は今後注目していくべき地場管理会社であり、是非福岡の管理業界活性化のために一翼を担っていって欲しい。
【神田 将秀】
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