西日本最大の歓楽街と言われ、今も約3,000の飲食店が軒を連ねる中洲。しかし、その中洲も昨今は不況のあおりを受け、まちの賑わいは年々寂しくなっている。その状況を打破し、再び活気を取り戻そうと、まちをあげての取り組みが始まっている。そのひとつが、2009年に第1回を開催し、大好評を博したジャズ・フェスティバルである。今年は期間を2日間に拡大し、第2回となる「NAKASU JAZZ 2010」を8月27日、28日に開催する。そこで今回は、同企画の運営に携わる、中洲町連合会専務理事の川原雅康氏とNAKASU JAZZ実行委員の中岡生公氏に、中洲ならではの「まちおこし」について話をうかがった。
<ジャズが似合うまち中洲 >
―幅広い音楽のジャンルのなかから、ジャズを選んだ理由について教えて下さい。
中岡 このイベントのキャッチフレーズは「中洲にはジャズが似合う」とあります。ご存知の通り、中洲は夜のまちです。昔、キャバレーがたくさんあり、その頃はジャスバンドもたくさんいました。
また、福岡と音楽は非常に結びつきが強く、全国のなかでも群を抜いて多くのアーティストを輩出しているところです。それらのことも踏まえて、福岡青年会議所で話し合った結果、「ジャズで中洲を彩るようなかたちにしてみてはどうか」という発想が生まれ、中洲町連合会に提案したところ快諾していただきました。
―昨年(2009年)に行なわれた第1回の反響はどうでしたか。
中岡 まず、約2万5,000人もの集客があったことに皆、驚きました。告知期間は10日しかなく、1日のみの開催です。実際、7,000人ぐらいを予想していました。また、いつもの客層とは違い、ご夫婦や女性の方が多く来ていたことも印象に残っています。
中岡 多くの来場者があったことで、アーティストも良い感触を得ていたようです。我々にはまちおこしの一環ですが、彼らにとってはジャズ普及の一助になります。また、世界的なアーティストと地元アーティストの共演もあるので、音楽の交流という面でも魅力的な要素があります。
―中洲の飲食店からはどのような声があがっていますか。
川原 家族連れが多かったこともあって、居酒屋をはじめ、一般客が入りやすい、いわゆる食べ物屋にものすごくお客さんが入りました。ただ、男性客中心のクラブやスナックなどについては、今後、どう連携していくかということが課題としてあがっています。しかしながら、中洲全体にとって新しいエンタテインメントの要素を加えることができたと感じています。イベント会社や広告代理店がやっているわけでもなく、すべて手作りでやっていたところも高い評価を得られました。
【山下 康太】
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