真実は小説より奇なるか 銀行のあるべき姿とは
記者所感~『火ノ国銀行』主人公のモデルと会って(2)
肥後銀行の基本理念
肥後銀行の基本理念は以下の通り。
これが本当の理念であり、行動規範として行員1人ひとりに徹底されているならば、『火ノ国銀行』で明かされている内容や宮本氏が語ったことは、すべてでたらめということになる。
小説でも直接取材でも語られたが、事業計画を提出し融資を頼む際に銀行側の取締役クラスが太鼓判を押しておきながら、結果として冷たくあしらわれているのだ。それによって大きく経営が狂い、倒産の憂き目を見ることになってしまった。この理念とはまったく逆の行動を、銀行がとっているというのである。
ということは、宮本氏か銀行のいずれかが嘘をついていることになるのだ。版元に問い合わせてみたところ、「もっとひどい仕打ちを受けている」といった声が多数寄せられているという。筆者としても、宮本氏が嘘をついているようには感じられなかった。
いったい、真実はどうなっているのだろうか。地域を支える地方銀行が、地方の中小企業を陥れるようなことがありえるのか。そうならば、何のためにそんなことをするのか、誰が得をするのだろうか。
※記事へのご意見はこちら
※記事へのご意見はこちら