同法人の「一棟丸ごと地元の材料で作る家」を掲げる、その地元の材料とは何か?
1、星野村、矢部村、黒木町、上陽町の杉(八女産杉)
葉枯らし天然乾燥した優良な木材とその加工木工品の利用促進
2、大木町の合鴨農法のワラ、有機イグサの畳床、畳表
有機栽培で作られた大木町のイグサを畳表、同じく大木町合鴨農法で作られたワラを畳床に使う有機畳
3、柳川産の有明海の貝殻漆喰
筑後地区に1軒残る漆喰製造工場。この有明海の貝殻の漆喰は、吸着力抜群で、アレルギー、シックハウス、化学物質過敏症対策として秀逸な建材
4、立花町の竹炭
"立花バンブー"と称する1号炭を水車小屋にて加工した微細粒の粉炭。炭素埋設や敷炭により、土壌・建物・心身に良い効果が期待できる。
5、城島産瓦
"いぶし銀瓦"の名称で、400年の歴史を誇り独特な輝きを醸し出す城島町産の瓦は、長期優良住宅には最適。
その他、畳のへりには久留米産絣、照明及び障子・襖は八女産手漉き和紙、土台用基礎パッキンには八女市の石工が作る御影石を使った基礎パッキンなど筑後・矢部川流域地区で作られた資材にこだわった家造りを掲げている。
同法人理事長で㈲イシナガ建築工房代表の石永節生氏は、「地場産品を駆使した、矢部川流域型地場産住宅の普及・促進は勿論のこと、これらの地場産の建材を一人でも多くの方々に知って戴き、家造りに役立てて戴ければ幸せです。またこれらを作る後継者が残念ながら少なくなっていることも事実です。我が国の古き良き伝統文化をなくしたくありません。同法人が受け皿となって後継者を発掘し、育成を手掛けていきたいです。地域経済の復興と雇用の促進、我々の法人の活動が真の地域活性化の力となれることを信じております」と語る。
同法人の理事には、石永氏が手掛けた家の施主が数多く名を連ねる。記者も実際石永氏の家に入った。月並みの"落ち着く、心地よい、木の香りが良い"という言葉を超越した、何か心も体も洗われて、本当に寛げる住空間である。
大量生産、大量消費で埋没しつつある、伝統文化・工芸などを存分に駆使した同法人の地産地消住宅のプロジェクト。環境保全を最優先させる住まい造りに賛同して戴ける方々は、是非一度見て戴きたい住まいである。今後は、矢部川エコツアーとしてこれら建材や資材の見聞ツアーを開催する予定もある。
NPO法人矢部川流域プロジェクト
【河原 清明】
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