NET-IBニュースは、民主党所属市議らで構成する福岡市議会の会派、民主・市民クラブが作成した、福岡市長・吉田宏氏の1期目の市政に対する総括が書かれた文書を入手した。文書の題目は『吉田ひろし・福岡市政4年間の評価と民主・市民クラブのスタンスについて(総括)』である。
そのなかで、市長公約達成の評価として、「公約『吉田ひろしの市民との約束』47項目中、1つ(二度否決された留守家庭こども会の無料化)を除き、概ねすべてについて達成・実現した」とされていた。(画像1参照)
公約を「概ねすべてについて達成・実現」とする点について、大きな疑問が感じられる。そのひとつは、「人工島移転を見直す」とした公約を反故にしたとして、批判が集中しているこども病院の移転について。
同文書には「吉田市長がこれまでのこども病院と市民病院のアイランドシティへの統合移転案を退けて単独移転を決定したことは『こども病院の人工島への移転計画を、福岡市全体の医療行政の観点から見直します』とした市長公約の範囲内での決断であったと理解する」とある(画像3参照)。
また、マニフェストに明記された「小中学校の校庭の全面芝生化」の計画は、遅々として進まず、先に福岡市役所前の広場が人工芝で覆われた。その上、先に報じた(「モンドターフ」指定は課長の独断! 福岡市人工芝疑惑)通り、その人工芝の選定についても担当課長の独断で1億円近い公費が支出されたというお粗末な内容である。はたして「概ね達成・実現した」と言えるのだろうか。
さまざまな異論・批判が百出しそうな総括と言ってもよいだろう。同総括については今後、さらなる検証を進めていく。
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