次に「小説・火ノ国銀行」の元原稿「銀行と弊社の出来事」を書きとめた宮本仁之氏との直接インタビューを3回に渡って紹介してみよう。
すさまじい反響の『火ノ国銀行』
―『火ノ国銀行』がすごいと巷(ちまた)で大反響を呼んでいます。作中の「誠ハウス宮本氏」のモデルが宮本さんというのは、周知の事実です。まずは、率直な感想をお願いいたします。
宮本 出版されて以来、反響の大きさにびっくりしています。もともと、私の経験をひとりでも多くの人に知ってもらうために書籍化という手段を考えました。私がお金を出して自費出版ではないのですが、それに準ずるようなかたちを出版社に提案し、実現してもらいました。1,000部でも構わないから、とにかく私の気持ちをおさめるために出版しました。それが、まさかこれだけの冊数が売れるとは思ってもいませんでした。
―7万2,000部とも言われていますね。出版当初、一部で買い占めが行なわれたのではないかという噂もあります。
宮本 事実は分かりません。仮に買い占めがあったとしたら、それは逆にありがたいことです。出版社は売れれば売れるだけ版を重ねるだけのことですし、それだけ話題にもなります。多くの人に知ってもらうことが目的でしたから、話題になることは思ってもみない追い風となりました。
出版社もびっくりして、私のところに電話をかけてきました。「宮本さん、熊本って人口は何人ですか。こんなに売れるとは驚きです」と(笑)。
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