生コンのJIS取り消しが、先月下旬に相次いで発覚した。
8月23日、(株)高森生コンクリート(本社:熊本県阿蘇郡)が、24日には(有)玉川屋建材 生コン部(本社:神奈川県川崎市)がそれぞれ、経済産業省からJISの取り消しが下された。日本工業規格に規定される一部の検査を行なっていなかったというのが、取り消しの理由である。
高森生コンクリートの取り消しについて九州経済産業局は、「出荷時に必要な強度や塩化物含有量などの検査をしないままJISマークを付けて生コン約13,000m3を出荷・販売。町道や住宅の基礎など約60件の工事に使用された。最長では、2009年9月の出荷分にさかのぼる」とコメント。原因は、「同社の検査担当が、体調を崩したことで長期休業となった。そのため検査する人員が補填できず、検査出来なかった」とのことである。
今回の発覚は、抜き打ち検査での発覚である。組合や近隣で懇意にしている同業者に相談して、人員を補強・補填して貰えなかったのか。何らかの対策を講じて、品質管理の対処をすべきではなかったのではないか。
生コンの出荷の基本中の基本である品質検査を行なわないのは、明らかな手抜き。"人手不足"という理由があり悪意がないにせよ、品質に関して生コンは特に厳格で、業界としても比較的モラルが高いと評されている。ユーザーの厳しい目で常に見られ、チェックされていることを忘れないでいただきたい。
【河原 清明】
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