山本 地雷撤去というのは、どのように進められていくのですか。
大谷 基本的に1m×20mをひとつの単位として、地雷が埋まってないか金属探知機で確認作業を行なっていきます。機械が反応しなければ、その土地は安全だという意味で、白い杭で囲っていきます。それが終わると次の場所に移っていくという風に、少しずつしか進めません。大変と言えば大変ですが、この地道な作業をしておかなければ、撤去したはずの土地でも地雷被害に遭う人が出てしまう恐れがあります。
たしかに、日立建機がつくった大型の地雷除去機でやれば、作業は早く終わります。さらに、その機械で対人地雷や対戦車地雷を踏んでしまった場合でも壊れないくらいの強度を持っています。しかし、この機械がとても重たくて、ぬかるみでの作業をすると沈んでしまいます。また、撤去も100%できません。どうしても20%ぐらい地雷が残ってしまいます。現地の人々には、「この場所には100%地雷がありません」という状態で渡さないと意味がありませんから、最終的には手作業での確認がどうしても必要になってくるのです。
我々CMCでは地雷撤去作業が終わった後、住民にその土地をどのように使ってもらうかを考えています。これは自立支援につながります。カンボジアには、もともと農業国なのに地雷のせいで農業ができないという人がたくさんいます。そのため、地雷があるかもしれないという不安要素を取り除いてやらなければなりません。
地雷撤去が終わった場所で、実際に何をしてほしいか。そこの住民の人たちと直接話し合って決めていきます。「子どもたちに教育を受けさせたい」、小学校や中学校を建設します。また、農業ができるように雨水を貯める池や水路などをつくり、農業支援を行なっていきます。
山本 その水は、たとえば沸かして飲んだりするのですか。
大谷 いえ、そこまでの整備はできていません。カンボジアでは山が少なく、木炭などは貴重品なのです。CMCで支援する場合には、ろ過器を付けたタンクなどを置くこともありますが、現地の貧しい地域では泥混じりの水をそのまま飲んでいる状態です。
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