<政府の中小企業防衛政策は無策>
(株)富士経営(本社:福岡市中央区)の崎田 松男社長は、福岡における企業再生コンサルのパイオニア的存在だ。過去、幾多の企業を再生してきた。同氏の再生の特性は成長ビジネスを付加させてやることである。「一時的に財務状況を改善させても売上を伸ばさなければまたまた行き詰る。再生の相談を受けた以上、売上を伸ばす道筋をつけてやることまで完遂させるのがコンサルの仕事だ」と喝破する。
喝破するだけではない。売上を進展させるビジネスモデルを習得させるには膨大な投資も図ってきた。本当に異色のコンサルだ。筆者が再生させるためにA社を紹介した。財務面での抜本的対策を図り、資金繰りの改善にすぐさま目途をつけた。普通ならそこでコンサルの役割は終わり。ここからが崎田社長の持ち味を発揮する。A社の技術力を必要とする得意先を紹介したのである。「売上の伸長無しでは企業存続はない」を実行したのである。
この中小企業再生コンサルの最先端を担ってきた崎田社長が憤りを露わにする。「コダマさん! たしかに会社を潰すのは経営者の能力不足が原因だ。経営者の自己責任であることは否定しない。幾百の会社の再生をやってきたなかで、それらの経営者の能がないことはよーくわかっている。しかし、税務当局のデータのよると、現在中小企業の70%は赤字だそうだ。赤字決算を続ければいずれ倒産の憂き目に会う。こうなると構造的な問題ではないか!」と指摘する。その通りだ。原因は「政府の無策」以外の何物でもない。
<「中小企業を守ろう」運動>
崎田社長の話には続きがある。「中小企業が納税できなければ国家財政が成り立つまい。これでは日本全体が沈没してしまう。中小企業が人の雇用ができなくなれば国内は失業者が続出する。暴動が起き、日本の治安は壊れる。どうしても中小企業を守るための法整備が望まれるところだ。データ・マックスさんが『メディア』の先頭に立って中小企業防衛のキャンペーンを張っていただきたい」と叱咤された。望むところである。
崎田社長が講演した北九州での話だ。質疑応答のなかである専門家が「今年3月期における建設関連業者の決算は90%が赤字であった」と発言した。こうなると倒産は、経営者の責任追及だけで済む単純な問題ではない。政府が行なう対中小企業政策の根本的なチェンジが問われている。
弊社は常に「経済競争のフェアなインフラ整備に貢献する」という編集理念を掲げてきた。だからこそ崎田社長の提案には応じなければならない使命が発生するのだ。そこでメデイアとしてキャンペーンを打つだけでなく「中小企業防衛委員会」を組織して法制の整備させる運動が必要と痛感した。その矢先、この組織を立ち上げる計画を練り具体的に実行しようとしていた最中に『金丸・丸美』の逮捕に遭遇した。
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