香椎幼稚園の移転存続運動を行なっている香椎幼稚園保護者会 維持存続運動委員会が中心になって作成した、同幼稚園・移転計画案の概要が明らかになった。
1日に同委員会が発行した活動広報紙「香椎幼稚園新聞 なかよしひろば・特別号」のなかで、「最も安い場合で土地取得・園舎建設・設備移設などで総額1億9,300万円という見積もりになる」との説明があり、同幼稚園が持つ約2億2,000万円の現預金を財源にするとしている。
また、同委員会が行なったシミュレーションの結果、現在と同等の80名の園児を確保した場合、単年度500から700万円の黒字、園児が70名の場合でも赤字にはならないという。
この移転計画案は、香椎幼稚園を運営する学校法人 筑紫海学園の理事会へも提出されているが、内容を吟味されることなく返却された。その後、7月6日に開かれた理事会で、2012年3月に幼稚園の閉園と同法人を解散することが決議された。さらに7月14日の評議員会でも同じ内容が決議されている。
移転存続の財源となる2億2千万円の現預金については、これまで報じてきた通り、保護者からの納入金と県や市からの助成金から積み立てられてきたもの。同法人理事会は解散後、この貯蓄を公立大学法人 福岡県立女子大学へ寄付すると言われている。
実際に、昨年(09年)10月8日、同法人の規則(寄附行為)の変更が行なわれており、その理由は「当法人(筑紫海学園)は福岡女子大学同窓会が母体であり、残余財産を福岡女子大へ帰属させる可能性を広げるため」とされていた(画像2参照)。
同法人の福田順子理事長は、マスコミの取材に対し、閉園の理由について「少子化と経営難」「移転存続の道も探ったが無理だった」との発言をしている。つまり、移転計画が実行可能となれば、香椎幼稚園が閉園する理由がなくなることになる。
香椎幼稚園の移転存続を訴える保護者らは、地域の住民と企業の協力を得て、今後も活動を続けていく方針だ。
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