＜経済犯罪の悪人は消滅させる＞
　金丸氏の経済犯罪は本当に困ったものだ。1991年（平成３年）の秋に倒産した興栄ホーム（会社更生法申請）において二重三重の住宅ローン詐欺の操作がなされていたのが判明した。その詐欺画策の結果、経営者は６年の実刑を食らった。「厳しいな」という実感だったが、今回の『金丸・丸美』のケースはより悪質だ。厳しい処罰を受けるべきであろう。
　ただ、金丸氏の人間らしい一面も紹介しておく。一緒に逮捕された女性・宮崎 増惠氏※は、金丸氏の愛人。そして、惚れた男に添い遂げた。社内では「女天皇」と呼ばれていたが、最後は女として健気な一面を見せてくれた。

　それにしても「資金繰りに困ったから」と言って、デペロッパーの経営者の誰もが悪辣な犯罪行為に走るだろうか。そんな不埒な奴はいない。2008年９月のリーマンショックの影響を受けて、どの業者も四苦八苦している。倒産した企業も続出した。もがき苦しみながらも持ちこたえた企業も数多くある。「ゴルフもしない。中洲にも行かないぞ！」と固い決意を抱いて難関に対処している。久しぶりに会ったデペロッパーの経営者は、企業再生に向けて一心不乱で闘っている。節制しているから体も顔つきも引き締まっていた。この姿勢こそが中小企業の経営者の基本スタイルである。

＜2012年、国家経済破綻の危機も迫っている＞
　「中小企業防衛委員会」の真の狙いは、中小企業経営者魂に燃えた方々に「企業規模の大小関係なく対等に闘える土俵＝フェアなインフラ整備」を提供することである。日本政府の経済政策は大企業優先に偏重している。たとえば技術改革に見られる政府補助金はまずは大企業にばら撒かれているのが現実だ。中小企業には残りカスしかまわってこない。ここの是正が戦略的に重要だ。

　また、中小企業がそれなりに経営の活況を維持できれば雇用数も膨れる。中小企業が失業率を減らす役割の先頭を担ってくれるのだ。だからこそ日本の社会においては中小企業の活性化が必要である。「過保護にしろ」とは要求しない。「中小企業を蔑（ないがし）ろにしている処置を是正しろ」との声をあげるだけである。そして、各地区で「中小企業防衛委員会」を組織して大運動を展開するつもりでいる。

　だからこそ『金丸＝丸美』を象徴する経済犯罪者の存在は抹殺するしかない。商取引の詐欺ならばまだ多少の弁解の余地もあろう。だが個人客をだますとなるとこれは言い訳無用、打倒の対象である。厳しい処罰を求める。
　民主党政権が「小沢になろうと菅になろう」と国債発行が1,000兆円を超すのは時間の問題である。こうなると国債引き取りが不可能になる日が近づいてくる。一説によると2012年に国家財政破綻が囁かれている。筆者は「その可能性が高い」と見る。中小企業の経営者は次のような覚悟が必要だ。「国家が破綻しようとも我が会社は潰されない」と。我々は国家破綻と道ずれになるわけにはいかない。

※ 崎は（山へんに立に可）

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