11月の福岡市長選が近づくに連れ、中洲でも徐々に選挙ムードが高まりつつある。近年の不況により、経営に深刻なダメージを受けている中洲、そこで働く人たちも次の福岡市政がどうなるかはやはり気になるところ。小生が飲みに回っていても、最近はよく市長選のことが話題になる。そこで中洲のママやコンパニオンたちから見た立候補予定者のイメージを紹介しよう。
やはりと言うか、知名度では群を抜いているのが元KBCアナウンサーの高島宗一郎氏だ。「本当に出ると知ってビックリ。でも、少し若すぎるんじゃない。カワイイ顔しているから応援しちゃうけど」とは、中洲歴30年のママさん。一方で、若いコンパニオンからは「テレビに出ているってのは知っとうけど、番組やっている頃はほとんど寝とるしね」と、意外とにぶい反応。朝番組を見ている中洲人は少ない。
「ハンサムでしっかりしている。頭が良くて頼もしそう」と評判がいいのは、元佐賀市長の木下敏之氏だ。ただし、「何で佐賀から福岡なの?」という声も聞かれる。第一印象の良さを武器に中洲でも街頭演説をすれば、圧倒的支持を得られるかも?
『強い女性』というイメージで評判がいいのは、元福岡市教育長の植木とみ子氏。ある店長からは「初の女性市長って頼もしか。女のパワーで市政に喝ば入れて景気を良くしてほしい」とのご意見があった。少しでも景気を良くしてほしいとの声は、やはり中洲に充満している。
その一方で...。「あるクラブで『オレの女になれ』とか口説きまくっとるって。本業ではおとなしいけど、中洲じゃかなり元気がイイって有名ですよ」とは、ある人気コンパニオンの談。誰とは言えないが、景気の低迷に反比例してガッカリ感は高まっているようだ。いやはや、責任のある立場の御方はツライ!
「ニッパチ」と言われる2月と8月、飲食店業界では1年で厳しいシーズンだ。中洲も例外ではない。そのうちの8月は終わったものの、今なお続く猛暑は中洲の集客数に影響している。
そして今、接客サービスの本質的な部分が問われる生存競争が激化の一途をたどり、同時に、従業員のリストラ、派遣コンパニオンの完全副業化(=質の低下)が進んでいる。明らかに中洲の市場は縮小化している。『福岡経済界の元気の源』である中洲に、有言実行、強いリーダーシップをもって希望を与えてくれる新市長は現れるのだろうか。
長丘 萬月(ながおか まんげつ)
1977年、福岡県生まれ。雑誌編集業を経て、2009年フリーライターへ転身。体を張った現場取材を通して、男の遊び文化を研究している。
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