17日、閉園の危機にある香椎幼稚園の移転存続を訴える通園児の保護者や地域住民により結成された香椎幼稚園保護者会維持存続運動委員会は、1日3回に分けて、福岡県庁前で街頭活動を行なった。
行き交う県職員に、香椎幼稚園の閉園問題に関する経緯が書かれた「香椎幼稚園新聞 なかよしひろば号外」が配布された。保護者のひとりによると、「配った新聞はほとんど受け取ってもらうことができた。ほとんどの県職員が閉園問題を理解しており、なかには『頑張って下さい』との励ましの言葉をくれる人も少なくはなかった」という。
ハンドマイクを手にした保護者のひとりは、香椎幼稚園閉園に伴う同幼稚園残余財産の移管、移転存続の可能性が決して低くはないことなどを繰り返し訴えた。通行人からは、立ち止まって保護者らに詳しい説明を求める人が度々現れ、同問題に対して県民が強い関心を示しはじめている様子がうかがえた。
14日の文教委員会で、岩元一儀県議会議員(民主・県政クラブ)は、保護者が出した陳情について「園児募集停止の解除を考慮してはどうか」との提案をした。同陳情は、子育て支援の観点から香椎幼稚園において、現在停止となっている園児の募集を解除するよう指導を求めるものである。
岩元県議は取材に対し、「地域から必要とされ、愛されている香椎幼稚園の幼児教育は、県民の財産である。県としてもこれまで助成を続けてきた以上、無関心でいられる問題ではない」との見解を示した。
地域住民にとっての教育とは何か。それを監督する県や市の行政のあり方とは。教育が人間社会において不可欠なものであり、関係する県職員、地域住民のみならず、われわれ県民の一人ひとりがこの問題の本質について深く考える必要があるのではないだろうか。
【山下 康太】
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