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「九州No.1バンク」を自負 戦いはより一層激しく(上)
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2010年9月21日 17:05
 中小企業を取り巻く経営環境は依然として厳しいものがあり、金融機関からの資金調達面においても、とくにプロパー融資の審査は難しいという経営者の声をよく聞く。そこで弊社では、特集・金融最前線(下)特別企画として「両雄の実力を問う 福岡銀行VS西日本シティ銀行」を組んだ。その一環として、I・B会員を対象にアンケートし、地元有力地銀である両行について経営者の忌憚ない意見を集約した。地方銀行は、地場中小企業に対して金融仲介機能を発揮し育成という使命がある。はたして両行の機能は、どのように評価されているのだろうか。

 福岡銀行(以下、福銀)と西日本シティ銀行(以下、西銀)は、言うまでもなく福岡・九州を代表する地方銀行である。両者は「我こそが九州No.1バンクである」との想いを胸に、日々しのぎを削っている。その両行の現状を、2010年3月期末基準の最新決算(すべて単体ベース)などを基に比較検証し、その実力を探る。

<財務面は拮抗 不良債権処理の進捗>

 まず、総資産では福銀が8兆5,956億円、西銀が7兆484億円。自己資本比率は福銀が11.7%、西銀が10.4%と福銀がやや上回るが、ほぼ拮抗する規模である。
 次に収益面【表1】を見てみよう。福銀は国内資金利益、役務取引等利益の減少を経費削減などでカバーした結果、コア業務純益が前期比13億円増の598億円、経常利益は信用コストの減少および有価証券関係損益の改善により前期比135億円増の304億円、最終的に当期利益が339億円となった。一方の西銀は、コア業務純益が前期比▲19億円。また、顧客経営改善支援の強化による信用コスト減少、株価回復、子会社の長崎銀行株式の減損処理を行なわなかったことによる有価証券償却の前期比減少などにより、経常利益が328億円、当期利益が203億円という結果となっている。収益面でも若干の差はあるが、両行をライバルと呼ぶにふさわしい数字をともに計上していることがわかる。
 不良債権(リスク管理債権)に関しては、福銀が1,677億円で不良債権比率2.7%。同様に西銀が1,726億円で3.5%となっている。西銀は、合併直後からかなりのスピードで不良債権処理を進めてきた感がある。
西日本シティ銀行 2002年、福岡シティ銀行の経営悪化にともなって公的資金700億円を受け入れ、そのまま西日本銀行と合併し西日本シティ銀行となった。06年に350億円を返済したが、自己資本率(国内基準)が悪化するおそれがあり、残り350億円はこれまで受け入れたままであった。
 2010年3月期に自己資本率(国内基準)が10.4%になったことから、350億円を返済しても大きな影響は受けないと判断し、今年7月に残り350億円を返済した。福岡シティ銀行が抱えていた不良債権処理を早期に行ない、福銀と戦える体力を早い段階で身につけておきたいという意思の表れであろう。
 福銀はグループでの問題、つまり親和銀行の不良債権をいかに早急に改善させるかという課題があったが、その処理も順調に進捗している。一時期10%を超えていた不良債権比率も2.6%と、西銀以下の水準まで低下させているのは注目に値するものだろう。

【表1】両行の既往の業績

(つづく)

[COMPANY INFORMATION]
(株)福岡銀行 
頭 取:谷 正明
所在地:福岡市中央区天神2-13-1
設 立:1945年3月
資本金:823億円

(株)西日本シティ銀行 
頭 取:久保田 勇夫
所在地:福岡市博多区博多駅前3-1-1
設 立:1944年12月
資本金:857億4,500万円


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