「不幸中の幸い」を自分に言い聞かせるが現実は厳しい。「何から」というより「何を」すべきか分からない。創業者の父がつぶやく「今ならどこにも迷惑をかけずにやめることができるぞ」。健全経営を貫いてきたことで、(株)友口は抜群の財務内容を誇ってきた。廃業しても買掛金・未払い金は十分に完済できる。ところが、意思決定する間もなく仕入先が集まり、継続する方法を話し合い始めた。その日のうちにプレハブで事務所の建築がなされ、翌日には机、電話、FAX、パソコンなどのデモ機が入った。多くの販売先も社長自ら励ましに足を運んでくる。意を強くする一方で確信した。
「必要としていただいている」。
塘口氏は事業継続を決意する。過去に読んだ書籍や人々から貰った言葉が背中を押した。雑誌「致知」に掲載されていた「苦抜け法」(小さな人生論2 著:藤尾秀昭)は何度読んだかわからない。やるべきことをノートに書き連ね、優先順位をつけていった。筆記用具は取引先の大手量販店で買い掛けにして貰った。甥っ子の体操服を着て駆け回った。事務所は立ち上がったものの売るべき商品がない。仕入れできても保管する場所すらない。
株式会社 友口
代 表:塘口 小代子
所在地:福岡県北九州市小倉南区舞ヶ丘1-2-7
設 立:1979年4月
資本金:1,000万円
TEL:093-965-8600
FAX:093-965-8611
URL:http://www.tomoguchi.co.jp/
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