<円滑化法の隠れ不良債権 国内銀行に4兆円超>
依然として中小企業を取り巻く経営環境は厳しいが、日本銀行は金融機関の潜在的な信用リスクへの対応を注視していくという。2009年12月に導入された「中小企業金融円滑化法」(以下同法、内容については【表1】)による貸出緩和債権の要件見直しの結果、「信用リスクが抑制されている」点が無視できなくなっているためである。日銀の試算から推計すると、大手行、地方銀行には4兆~5兆円規模の隠れ不良債権が存在していると見られている。
同法によるリスケジュールにより、元金返済猶予を受けて資金繰りが緩和された結果、倒産件数は減少傾向にあるという。しかし、同法によるリスケの適用を受けた経営者のなかには、リスケ自体が目的と化し、経営改善計画の実行に真剣に取り組んでいない事例も出ているようだ。
【柳 憲一郎】
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