24日19時、博多区奈良屋町で国際協力NGOフリーピースの結成式および「セネガルに学校を」を演題に、アフリカの教育支援についてのジャワラ・バラス氏による講演が行なわれた。 バラス氏は、セネガルから日本に留学し、九州大学経済学部で経済システム(博士課程)を専攻している。
バラス氏は講演のなかで「教育は国や社会においても、個人的にも必要なものだ。高い教育水準は技術的変化を可能にし、犯罪の減少に繋がる。また、給料が増えることで貯蓄が生まれ、健康状態の改善もできる」とセネガルに質の高い教育が必要であることを訴えた。
また同氏は、都市部と農村部の教育普及率がそれぞれ98.9%と64%(ともに2006年)であることに触れ「農村部の子供たちは親の農業を手伝う理由で、小・中学校をドロップアウトしてしまう。学校が無いから勉強できない場合と、経済的な理由で勉強できない場合がある」とセネガルの農村部の現状を語った。
国際協力NGOフリーピースは、発展途上国の教育支援を中心に活動を行なっていく。学校は、農村に1クラス30人、1学校200人程度の小学校を建設する計画で、建設にかかる費用は500万円から700万円。生徒の教科書や教材は無償で提供する。フリーピース代表理事の森田卓也氏は「現地の人々の立場に立ち、その国の文化や価値観に沿って押し付けではない支援を行なっていき、一人ひとりの自立に協力したい」と述べ、積極的に現地の人材を活用していく考えを明らかにした。将来的には、最終的には水の供給事業や試験農場事業を立ち上げるなど、民間企業と協力して行なうソーシャルビジネスの手伝いをしていきたいとしている。
聴講した参加者は、「セネガルで教育支援を行なっていくには、学校を建設と同時に経済的な支援も必要ではないだろうか。教育する人材や管理・運営をどう行なうかについて、後はどれだけ詰めていけるかが重要だと思う」と語った。
【中山 俊輔】
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