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上海最先端レポート

アメリカから慈善寄付の呼びかけ(上)~日本人が知らない中国事情(63)
上海最先端レポート
2010年9月29日 10:11

劉 剛

 今年6月、マイクロソフト社のビル・ゲイツ会長と投資家ウォーレン・バフェット氏は、アメリカの富豪に対し、「少なくとも半分の個人資産を寄付に!」と呼びかけました。そして8月、両氏は中国を尋ね、50名の富豪に慈善寄付パーティーへの招待状を出しました。
 そして今、一体、誰がその招待状をもらうのか、出席するのか、寄付を承諾するか、どのぐらい寄付するかといった話題で持ちきりになっています。では、中国の富豪はどのような社会貢献への姿勢をもっているのでしょうか。

(1)全資産を寄付

 9月5日に、江蘇黄浦再生資源有限公司の陳社長が「死後全ての資産を寄付する」との意思を表明。10日後、1,700万人民元余り(2億2,100万円、1人民元=13円)の物資を甘粛省舟曲被災地に寄付しました。
 今回で1,033回目の寄付になっています。これまでで彼の名義で寄付された金品は、総額13.4億人民元(174.2億円)です。その恩恵にあずかった人々は70万人を超えています。
 陳社長は、富豪の一員として「この世を去る時、全部の財産を社会に返し、不幸や貧困に見舞われる人たちにシェアしてもらう」とのメッセージを世界に発信しました。

(2)慈善事業

 一方で、「献金が一番簡単ですが、それだけが企業の評価基準になるのは不適当です」と、ある国内評論家は指摘しています。

 中国最大の飲料メーカーである杭州ワハハ社の宗社長は、「持続的に社会に富を創造していきたい」と、自分の理念を語っています。
 宗社長が質素な生活を送る一方で、彼の会社は長期間にわたり、慈善事業に従事しています。データでは、今まで同社が西部地区、貧困地区などに投資した累計額が53億人民元に上り、現地で1万人以上の雇用を創出しています。さらに同社は、農産物の買い付けにより、130万人の農村人口に仕事を提供しています。

(3)無私が最大の私心

 「子孫に金品のひとつも残さないなど、自分のことを顧みない人が社会を本気で想う人になれるわけがない」「無私が最大の私心だ」とは、中国最大のB2Bサイト、アリババ・ドット・コム の馬社長。彼は「成功している事業家は、寄付よりも手元の資源を効率よく使える」という信念を持っています。

 馬社長と同様の考え方を持つ富豪は少なくはありません。実際に、アメリカからの呼びかけに関して、大部分の富豪が「沈黙」を続けています。

(つづく)

劉剛氏【劉 剛(りゅう ごう)氏 略歴】
1973年12月生まれ。中国上海出身。上海の大学を経て、96年に地元の人材派遣会社に入社。10年3月より福岡に常駐。趣味は読書。


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