名古屋市議会へのリコール運動に参加した市民ボランティアは、すべての人がもともと政治に高い関心を持っていたというわけではない。署名活動の続けるなかで、名古屋市政の問題を真剣に考え、河村市長の考えに賛同した人も多い。
最初は、知人から頼まれて受任者になったという沢田英樹さんもそのひとり。署名を集めるなかで、たびたび議論となることもあったという。
主に若い人から「リコールには費用がかかる。その原資も税金だ。市選挙管理委員会の試算では4億5千万円もかかるという。4月の統一地方選挙では名古屋市議会の選挙がある。なぜ今、リコールする必要があるのか」と問いかけられました。
そのときは「今回のリコールの目的は、選挙時期を4月からずらすこと。そして、リコール運動を通じて市民の関心を高め、投票率をあげることなどがあります。そうすれば、現職の有利がくつがえせる。そして、ここまでしないと議会は変わりません。名古屋を良くするための投資です」と説明しました。
また、そう説明するための資料をインターネットで調べて作成し、いつも持ち歩いています。市議のなかに議席を指定席化した世襲や労働組合出身者のリストも作りました。そうやって説明をすれば、ほとんどの方は納得して署名してもらえます。
リコール活動の終盤、「少しでも協力したい」と、非番を返上し署名活動に参加していた沢田さんの胸中には、「これからの世代のために政治を良くしたい」という想いであふれていた。
作家の原誠さんは、友人に誘われて、ボランティアで署名活動に参加した。「こんな大胆な政策は初めて」と、河村市長の政策を評価する原さんは、従来の名古屋市民の考え方について自ら思うところを語った。
もともと名古屋は保守的で、新しいことや変わることに対しての抵抗感がすごくあるところです。私は、河村市長が行なおうとする市民税10%削減などの庶民を大事にする政策は、地に足が付いた改革として評価しています。
しかし、それに保守勢力が抵抗し、かなり反発しているのが現在の状況だと思います。まず、そうした体質を変えなければなりません。「みんなで支えあう」という意識を広めていくことが大事なのではないでしょうか。
河村市長の政策は庶民目線であり、私をはじめ多くの市民が共感を覚えています。名古屋市民として少しでも協力したいと考えています。
【山下 康太】
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