<中小企業振興ネットワークからの脱会>
同社は、財務面を含めた連携によるビジネス上のメリットから、09年8月より「中小企業振興ネットワーク」に加盟していた。しかし、昨今の動静を踏まえ同ネットワークから脱会することを、10年9月10日付で決定した。
なお同社は、今回の脱会が業績に与える影響はないものと考えている旨を発表している。
「中小企業振興ネットワーク」には、振興銀から融資を受けた約20社の上場企業を含め、約110社が参加していた。中核部隊を構成するのが、「中小企業○○機構」と似通った名前が付けられた30社近くの企業群である。振興銀の民事再生法申請を受けて、同ネットワーク加盟の上場企業は9月10日、相次いで借入残高を公表している。
<先行きの見通しは今後の資金調達次第>
今期は業績見通しを上方修正したものの、当然のことながら今後の資金調達の成否が同グループの先行き見通しを決める重要なポイントとなる。他行が貸出を縮小していくなかで、振興銀からは09年7月の取引開始以降、10年6月末には74億円の資金調達を確保していたことには、それなりの意義がある。
しかし、融資シェア57%(10年6月末時点)を占めた振興銀はすでに破綻し、新規借入は困難であり、既往短期借入の反復も厳しいものが予想される。
このように、同グループの置かれている資金調達環境は非常に厳しいと考えられる。はたして、過去に支援実績がある地元福岡銀行を初めとした取引各行からの支援体制を構築できるかが、大きなカギを握っていると言っても過言ではない。
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