3日早朝、丸美の元役員・金丸 近(かなまる ちかし)容疑者(57)をはじめとした当時の関係者5名が、福岡・佐賀・熊本・宮崎・鹿児島の合同捜査本部によって逮捕された。容疑は有価証券偽造・同行使によるもの。
これは、以前NET-IBで報じた『丸美、社債詐欺か?「合同会社丸美堺筋本町ビル」は設立されていなかった』という事実に基づくものである。
丸美は2006年当時、「合同会社 丸美堺筋本町ビル」という会社の社債引受をひと口200万円で一般に募っていた。その目論見書では、利息は年10%、加えて各種配当金・剰余金の支払いがある旨がうたわれており、引受人に対しては社債券が発行された。
しかし、そもそも「合同会社 丸美堺筋本町ビル」なる会社が存在しなければ、そのような社債券は無効な(偽造された)紙きれに過ぎない。今回の容疑は、かかる社債券の作成・交付に金丸氏らが関わった容疑での逮捕ということになる。
丸美をめぐっては、詐欺をはじめとした様々な疑惑が取りざたされていたが、09年5月に関係各所の捜索が行なわれて以来、目立った動きは見られなかった。複数の県境をまたぐ広域な捜査範囲や経済事件という特殊性、捜査の長期化などの事情から合同捜査本部による立件も危ぶまれていたが、本件を立件にこぎ着けたことで、被害者団体からは称賛と更なる真相解明を求める声が上がっている。
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