18日、19日の2日間、愛知県名古屋市で「名古屋市内全駅リコール署名」が行なわれた。このリコールは、河村たかし市長の選挙公約であった市民税10%減税および地域委員会の継続、市議会議員報酬の半額(年1,630万円を800万円に)などに対し、反対・否決する市議会の解散を求めるものである。
朝9時から18時まで、市内約130ヵ所の駅前に各署名窓口が設置された。署名を呼びかけるのはすべてボランティア。各窓口に立つボランティアは、残暑が体力を奪うなか、交代で休息をとりながら断続的に署名を希望する市民に対応していた。
市民にリコールを呼びかける河村市長は、各署名受付を精力的に回った。19日は、国会議員時代、同期であった埼玉県知事・上田清司氏が応援に駆けつけ、金山総合駅北口付近で街頭演説を行なった。
上田氏は演説のなかで「何度もやってはいけないが、直近の選挙と以前の選挙で民意がずれた場合は正さなければならない。全国においても、二元代表制、議会と執行部のあり方を考える機会となる」との見解を述べ、リコールを激励した。
上田氏に続いて、演壇(ビールケース)に立った河村市長は「昔の新聞を見てもらったら分かる。選挙時の大きな争点は減税だった」「(議会は)『独裁』と言うが、市長に議会の解散権はない。どっちが独裁か!」と熱く語った。河村市長の演説については、別途動画で紹介(関連リンク参照)する。
一方、名古屋市民はどのような考えを持っているのか。署名した市民を取材したところ以下のような回答が得られた。
「減税(市民税)も1年限り。市長に公約違反をさせているのは市議会だ。今は議員自身が『改革』と言っているが、市長の意見を受けての『後出し』が多いように感じる」(20代男性)。
「これから税金を負担するのは自分たちの世代。積極的にまだ署名をしていない友人に呼びかけたい」(30代男性)。
なお、河村市長の支援団体「ネットワーク河村市長」の鈴木代表は「13日の時点で15万1千人。光明が見えた。現在は1日平均1万5千人の署名が集まっている。20日で残り1週間となるが、このままいけば40万には到達するだろう」との展望を示している。
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