20日、名古屋市議会へのリコール運動を応援するべく、大阪府知事・橋下徹氏と前横浜市長・中田宏氏が、名古屋市長・河村たかし氏とともに街頭演説を行なった。場所は、署名運動が行なわれていた地下鉄今池駅の付近。3人が姿を現した13時頃には、多くの聴衆が集まった。
「地方の改革のなかで、一番重要な改革は議会の改革なんですよ!」と、大勢の聴衆に力強く訴えたのは橋下氏。さらに「大阪でも議員報酬3割カット、定数は半分でよい。これを議会はものの見事に否決した。今の地方議員は皆さんのために仕事はしない。自分たちの職業として議員をやっているんですよ」と、議会改革の重要性を主張。また、「今の政治には知恵のあるルールがない」として「議会は、2,400万円ももらって反対と言っていればよい。普通は、NOと言えば、どうしたらよいのかと考えなければならない。そういうルールも日本にはない!」との問題提起をした。
続けて、マイクを持った河村氏は、「まず経営者(市長)が自分から変わっていかんといかん。『河村さん安月給で、やせ我慢か分からんけど、よう我慢していらっしゃるなあ。偉いもんだわい』と言われるとね、それが喜びでやっとる。政治はそういう風でなくてはならん」と、政治家の姿勢について意見を述べた。また、「市長に議会の解散権はない。解散権は市民にある。実質、解散がないから、市議会が決めたことが絶対通ると思っとる」としたうえで、「市民をナメとったらいかん!」と熱く語った。
最後に中田氏が「河村さんは、地方自治・地方議会について、今まで見えなかったものを見えるようにしている。名古屋だけじゃない、日本全体にとって地方議会は何のためにあるのか、地方自治はどうあるべきかを問いかけている」との見方を示した。そして、「橋下さんと河村さんが立派なのは、"一番"喧嘩をしたくない、"一番"毎日会わなければならない、"一番"ある意味でイヤな議会に、堂々と手を突っ込み渡りあっているということです」と、両氏へエールを送った。
名古屋市議会へのリコール署名運動も活動最終日(27日)まで残り1週間を切った。13日の時点で集まった署名は15万1千人。リコールが認められる必要数は、36万6千人といわれている。
きょう(21日)から27日までは、朝9時から17時まで、名古屋市内全区役所・支所前で署名を受け付ける予定。また、栄駅前と金山総合駅前には全区の署名ができる窓口を設置する。18日、19日の市内全駅リコール署名、それに続く20日の街頭演説で勢いは加速した。20万人を突破したとの話もあるが、残るは16万人以上。決して楽観できる状況ではない。はたして最後の追い上げとなるかどうか――。
【山下 康太】
*記事へのご意見はこちら