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特別取材

前田恒彦だけが例外ではない 特捜検察のDNA(下)
特別取材
2010年9月24日 08:00

 このライブドア事件の後、福島県の佐藤栄佐久知事の贈収賄事件でも、やはり主任弁護人を務めた宗像紀夫弁護士の手によって、検察側の描いた佐藤知事が公共工事で「天の声」を発した構図とは、まったく違う真相が暴露されている。
 佐藤知事の部下である坂本晃一県土木部長が自宅に2,600万円もの多額のタンス預金をしていた、というのである。坂本氏は「親の資産や香典をタンス預金していたので、それを暇を見てちょこちょこ積んだのです」と公判で述べ、2004~05年にかけて自身名義の銀行口座にATMから入金したことを打ち明けた。母は1991年に死去していたため、10年以上も自宅に「タンス預金」し、それを2004~05年になって、やっと1、2カ月おきに100万、200万といった単位でATMを通じて預金したのだという。
 弁護側は、東急建設副支店長が仕切り役とされた談合の謝礼金として、2004年の5、6月ごろに500万円を空調設備会社の社長に持参したことを示した上で、ほぼその同時期に坂本部長の口座にも200万円ずつ2回計400万円が入金されたことを明らかにした。坂本氏自身は、東急建設からの謝礼金ではないかとの質問を「一切関係ありません」と否定したが、果たしてどうか。特捜部は当然捜査の過程でこうした事実を把握していたが、あらかじめ描いていた知事主犯というストーリーとは異なるため、真相を知りながら特捜部が握りつぶした公算が強い。
 「作ってでも言ってもらう」「もう図は完成していて、変えられない」。福島県知事汚職で特捜検事に呼びつけられた人たちは検事にこう告げられ、あらかじめ用意された筋書き通りのストーリーに仕立て上げることに協力させられた。ストーリーに合わないものは隠蔽され、排除される。結果的に真相をゆがめてしまう。
 このライブドア事件と福島県知事汚職事件を指揮した特捜部長は大鶴基成氏である。福島知事汚職で応援に駆り出されたのが、今回逮捕された前田検事だった。前田氏一人ではなく特捜検察全体に共通する深刻な病である。

(了)

【大林 浩】

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