ある程度予想されていたことではあるが、レアアースの価格が高騰している。レアアースはハイブリッド車に使用されるモーター用高性能磁石をはじめとした多くの電子機器などに使用される金属である。
報道によれば、ネオジムやジスプロシウムは今年3月比で約2倍に価格が上昇、セリウムが同3倍以上に価格が上昇している。一連の尖閣諸島の問題で輸出国である中国が事実上の「輸出停止措置」を行ったことが原因と見られる。もちろん、中国は公式には輸出停止措置を発表してはいない。
今後、レアアースの入手が難しい状況に陥る旨の報道があるなか、関係筋に取材をしたところ、興味深いコメントが得られた。「中国がどのような手段をとったとしても、価格は上がるだろうが裏ルートで仕入れは可能」。また「輸出先の大半が日本のため、輸出停止で一番困るのは中国なんです」。楽観視することはできないだろうが、技術は技術で賄うことを期待したい。
他方、今回の一件を受けて、レアアースやレアメタルの安定的な供給を目指し、国内でのリサイクル事業を加速させることも必要である。特にレアメタルはわれわれが日ごろ使用している携帯電話やゲーム機等電子機器に内蔵されているため、「都市鉱山」とも言われている。循環型社会が叫ばれて久しいが、環境都市・北九州市は日本磁力選鉱(株)(本社:北九州市小倉北区、代表:原田光久氏)と共同で市内のスーパーなどに回収BOXを置き、レアメタルの回収作業を進めている。
【発信!北九州】
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