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コダマの核心

賃貸管理業界に特化して1兆円へ挑戦~アパマンショップホールディングス(前)
コダマの核心
2010年10月 1日 12:14

<快進撃から一頓挫>

(株)アパマンショップホールディングス 大村浩次氏 (株)アパマンショップホールディングスの大村浩次氏は1965年生まれの45歳である。福岡県出身で不動産業界においてシノケン、ディクスクロキとともに上場を果たした。同社の場合は2001年6月大阪証券取引所(ナスダック・ジャパン)に(株)アパマンショップネットワークの商号で上場したのだが、大村社長の年齢は36歳になったときである。まさに青年経営者として期待された。
 同社は期待通りの躍進を展開した。関係者に衝撃を与えたのは上場を果たした4年後の2005年3月に名門・小倉興産をM&Aに成功したことだ。北九州の老舗を新興勢力の同社が買収したことで「大村氏は大化けするバイ」という評価が定着した。この余勢に乗じて『アパマン』ブランドのネットワークを全国一円に張り巡らさせた。北の果ては北海道・稚内から南端は沖縄までフランチャイズを網羅した。単独では業界一の組織網を築いた。
 怒涛の進撃はいずれ壁に突き当たる。不動産バブルの終焉の兆しは見えていた。2008年9月のリーマンショックで金融信用は崩壊した。同業者の倒産が相次いだ。(株)アパマンショップホールディングスも例外ではない。別紙資料の通り2008年9月期において70億の当期赤字をだした。大村氏にとって会社経営を始めて赤字決算は初体験であった。「賃貸管理斡旋業は小口のキャッシュが入ってくる。この特異性があったからこそ我が社は倒産の危機からどうにか免れた。これが不動産ファンドに頼りきった事業展開であったら間違いなく飛んでいた。これからは本業専念に徹する。深掘りしてプロとしてのスキルに磨きをかけていく」と経営総括を語る。快進撃から一頓挫、そして新たな飛躍の為の自己戒めを徹底しているのだ。

<従来の市場存在のあるところで闘う>

 『市場創造』という言葉は恰好が良い。しかし、その事業は不安定であることが背中合わせにある。ベンチャー企業が敢え無く潰れるのは市場基盤が脆弱であることが背景にある。タマホームが瞬く間に1400億円の企業に成長できたのは住宅産業という実体的な市場で勝負したからだ。タマホームが年間1.5万戸受注しても40万戸の市場から換算すれば4%弱のシェアしかない。このシェアを高めるだけで売上は伸びる。
 ソフトバンクが30周年を迎える。1980年にスタートして以来、この会社は業態チェンジを繰り返してきた。この3年ほどで年商が兆円を凌ぐ企業になったが、なんとなく安定感を醸しだすようになった。事業の主力が通信回線事業に移ったからだ。要は電話通信事業という旧来市場をターゲットにした事業の展開が安心感を与えているのである(勿論、昔と違って電話の主体は携帯電話形態に進化したが)。
 この例えでいけば賃貸仲介斡旋業の市場は6兆円といわれている。アパマングループの連結規模が年商500億円台である。まだ市場シェアの1%弱というところだ。大村氏曰く「本業深堀回帰」路線を深耕させて10%のシェアを占めれば5,000億円企業になる。この事業戦略のほうが実現の信憑性がある。莫大な市場=「賃貸斡旋業界」で勝負する大村戦略は次の躍進の足がかりを築くであろう。

(つづく)
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