10月1日、同日付けで福岡工業大学・短期大学部の新学長に就任した下村輝夫氏の就任記者会見が同大学で行なわれた。任期は、2013年9月30日までの3年間である。
下村学長は、39年間大学で教育・研究、運営さらには社会貢献に務めてきた。そのなかで、大学運営では、国立九州工業大学(現 国立大学法人九州工業大学)で、地域共同研究センター長、工学部長、評議委員などを経て、同大学の学長を03年10月から10年3月まで務めた。この間、第1期中期目標・中期計画を推進し、国立大学法人評価委員会から高い評価を受け、09年度文部科学省による総合評価で『九州域内1位(全国16位)』、マスコミ外部評価では08年度地域貢献度ランキング『国立1位(全国4位)』と高い評価を受けている。また、研究の面では企業と、交通信号灯器の開発にも視覚関連で携わり、さらには、「アジア低酸素化センター委員会委員長」などを歴任し、広範囲で活躍している。
冒頭、下村学長は「同大学の建学を考慮し、確立していきたい。この建学の考慮とはまず、1つ目に品格の陶冶、2つ目に社会貢献、3つ目が人材育成である。また、同大学のスローガンでうたっている「For all the students」のように、最大のステークホルダー(直接・間接的に影響を受ける人など、利害関係者)である学生のための大学を目指していく。また、高等教育機関としていわゆる教育・研究・学問の自由という本質を踏まえ、かつ社会の要請に対応できる生命力を持った組織作りに勤しんでいきたい」と語った。
下村学長が就任後、最初にチャレンジしたいのは学生の間で、職員の名前と顔が一致するような環境を造ること。そのためには、「学生を我が子のように接していく」という。
今までに福岡工業大学は、「進路指導教諭が生徒に勧めるイチ押し大学」(大学通信調べ)でも就職に力を入れている大学23位、面倒見が良い大学18位、学生支援力が高い大学23位と確かな評価を受けてきた。
統計によると、10年度は、卒業生の就職率で、大学91.3%、短期大学部90.7%、大学院97.7%と、厳しい就職状況のなかで結果を出している。
そうした基盤の上で、下村学長がどのようにタクトを振り、"すべての学生のため"の大学作りがどのようになされるのか、注目したい。
▼関連リンク
福岡工業大学
*記事へのご意見はこちら
※記事へのご意見はこちら