日本振興銀行の破綻が報道された910日、朝8時。代表番号の音声ガイダンスは、既に預金の一部カットや概算払いを説明する内容に切り替えられ、周到な準備の下に発動されたことを物語っていた。
金融当局は、今回のペイオフについて、他の金融機関に影響が広がる可能性は極めて低いと確信していたという。その根拠は振興銀が決済機能を持たないことである。金融界にも「銀行の名がついているが、実態はノンバンク」と特殊性を指摘する声が多い。預金の解約に備えた資金調達も、営業再開の9月13日に日銀が預金保険機構の口座に923億円を融資して完了。同行は店頭で現金を取り扱っておらず、本支店への現金輸送すら不要であった。
金融庁は財務局を通じて全国の預金動向を注視しているが大口預金者の解約はごくわずかで、今は警戒水準を引き下げているという。
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