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特別取材

我が国の再興とは(2)~富士経営グループ
特別取材
2010年10月 8日 08:00

中小企業防衛と国民1人ひとりの自助努力が必要

<中小企業に仕事がない 国が"仕事を創る">

崎田松男社長 「なぜ中小企業を防衛しなければならないのか。それは中小企業に仕事がないからですよ」(崎田社長)。
 現代社会の若者・若年層を見てみると、今春卒業した大学卒の就職率が60%。対前年比7.6ポイントの下落は過去最大で、約8万7,000人もの学生が就職も進学もできなかったという現状が横たわっている。
 崎田社長は、「若者に仕事がないこと自体、おかしな現象です。正確に申しますと、仕事はあるけれど、やりがいや魅力を感じられないのでしょう」と切って捨てる。また、「成長分野、成長分野とばかり国は唱え続けていますよね。けれど、本当に成長企業、成長産業というものを国がわかっているのでしょうか。国は無策です。産業の振興─"仕事を創る"ということを、なぜやらないのでしょうか。成長分野と唱える前に、仕事を創ることが国家の役割です。我が国の企業のうち、97~8%が中小企業ですよ。その現実を知らずして、国家経営ができますか。いや、できません。成長分野・産業とは本当のところわかっていないのですから」と語気を強める。
 今年閣議決定された新成長戦略においては、環境エネルギー分野革新、グリーン・イノベーションなど7つの分野が挙げられている。とくにグリーン・イノベーションのなかには、再生可能エネルギー、蓄電池、次世代自動車、火力発電所の効率化、情報通信システムの低消費電力化、モーダルシフト、省エネ家電、エコ住宅、ヒートポンプ、LED や有機EL などの次世代照明などがある。
 また、今年4月30日、日本銀行総裁の白川方明氏が成長期待分野の新貸出制度について「イノベーション(技術革新)を促進するような研究開発、科学・技術の振興、あるいは成長分野として期待される環境・エネルギー事業など」が対象と表明している。
 ただ成長分野とは、1,000の業種を実行し、ヒットするのは1つか2つ。その1つか2つの成長産業・分野と言われているのが「ワールドスタンダード」と聞かれる。前述した成長分野は今後も伸びていくであろう。しかし裏を返せば、化石燃料、ガソリン自動車、発電所、IT、トラック物流、家電、住宅、給湯器、照明の分野におけるパラダイムシフトであり、手段が変遷するに過ぎない。広義的に見ても、我が国の中小企業が再興し飛躍するかは疑問が残る。すでにこれらの分野には、巨大企業が参入しているのだから。

(つづく)

【河原 清明】

[COMPANY INFORMATION]
富士経営グループ
代 表:崎田 松男
所在地:福岡市中央区天神2-14-8
設 立:1976年10月
資本金:1億3,500万円


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