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特別取材

我が国の再興とは(3)~富士経営グループ
特別取材
2010年10月 9日 08:00

中小企業防衛と国民1人ひとりの自助努力が必要

<金融政策だけではない 自助努力を促進させる>

崎田松男社長 「巨大・大手企業は、中小企業を踏み台にして儲かっているのです。中小企業は、大手企業から仕事をもらうために赤字覚悟の受注をします。建設業は入札率がおおよそ87%ですが、もっと悲惨な数値のケースも多数散見します。製造業もしかりで、"安値受注"は悪しき商慣習ですね。
 もっと安く発注するために、今や安価な人件費で発注可能な国外へ仕事が流出しています。安い人件費の国々と競争しても、勝てるわけがありません。ここで見逃してはならないのは、これらの国々へ発注することは、我が国の技術を後世に承継できない国家づくりを助長していることに気づいていないことです。赤字受注など、そもそも商売ではありません。国内でフェアに技術やノウハウで競争して、正当な価値で経営を構築していかなければならないのです」と崎田社長は強い危機感を示す。
 中小企業が大手の下請専門に成り下がってしまった構図─とくに建築・土木業界は、国家による甘い発注下に依存し過保護となったがゆえに弱い体質となり、改革・改善ができず負のスパイラルに陥っているのが現状であろう。
 「日頃から危機感を持って経営している企業は、知恵を振り絞って創造力を発揮し、独自のノウハウをつくりあげています。売上の5~10%を研究開発に先行投資して改革・改善を怠らず、自社のストロングポイントを構築し選択集中した結果、毎期業績が向上している企業があるのも事実です。それは自助努力のほかありません。常に危機感を持ちながら、利益の上がったときに次の手を打つために投資することですね」(崎田社長)。
 我が国は大手主導で大手が儲かるような市場構造を解体し、中小企業がフェアな市場原理で競争し切磋琢磨できる経済社会をつくり上げ、自助努力で報われるという当たり前の国家を再構築しなければならないというのが、崎田社長の構想。「働けど、働けど、全然儲からない。努力しても報われることはない。国が何とかしてくれないと」―何人もの経営者がこぼしている言葉だろうが、中小企業が国家の擁護のもとで経営するという依存型ではいけない。国家は、中小企業が健全化し経営できる土壌を整備する必要があるのだ。
 そのなかで崎田社長は、「亀井静香代議士が金融担当大臣時に制定された中小企業金融円滑化法(2009年11月可決、同12月4日施行)は、たしかに倒産件数および資金難を理由にした自殺者を減少させました。表面上の数値を見ると、中小企業が活性化され、今後は再建されると思いますが、実際同法は一過性的なカンフル剤で延命措置に過ぎません。貸付変更や返済猶予が実施されているのであって、借入金がチャラになるのではありません。
 よって、回収の時期に入ったら大惨状に陥る─つまり倒産や資金難を理由にした経営者の自殺が激増する公算が高いでしょう。同法で救われて再生できた企業もあるでしょうが、抜本的な中小企業の防衛にはならないと思います。本質として、何度も繰り返しますが、"仕事を創り、仕事をやる"これが大原則でありましょう」。
国家依存での中小企業救済・防衛は、一過性にしかならないと崎田社長は述べている。自助努力のうえに報われる経済社会が、今こそ必要なのである。

(つづく)

【河原 清明】

[COMPANY INFORMATION]
富士経営グループ
代 表:崎田 松男
所在地:福岡市中央区天神2-14-8
設 立:1976年10月
資本金:1億3,500万円


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