今年の初めごろ、A社の社長が死亡した。死因は不明。業績、財務内容ともに悪化傾向にあり、経営状況は芳しくない。そのようななか、死亡により約1億5,000万円の保険金が入った。動向が注目されていた会社だっただけに、その事実を知ったある取引先は「これで少しは良くなるね。しばらくは(取引の)心配はしなくていいかな」といくぶん安心したようだった。保険金収入でガッポリと利益を出し財務内容が大幅に改善されると思ったのだろう。
しかし、一筋縄ではいかないのが経営である。事業規模、経営状況にもよるが、1億、2億の保険金など、支払いや借入返済などであっという間になくなるレベルに過ぎない。無いよりはいいが、ほんの一時的な救いにしかならず、経営改善などできるはずもないのだ。
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