15日、福岡市役所で福岡市長選挙の立候補予定者を対象とした説明会が行なわれた。同会は、立候補予定者や同関係者に、公職選挙法に基づいた事務手続きおよび同法に規定された選挙活動について説明するもの。
同法は公正な選挙を目的にして、活動に様々な制限をかけている。たとえば「街頭演説をする際の運動員は15人以内」「会社や労働組合からの寄付は一切禁止であるが、個人からの寄付は年間150万円までは可能」「公共の施設で開催する個人演説会は2日前の届出が必要、施設ごとに1回までは利用費が無料」など。各陣営の参加者は分厚い資料を見ながら、熱心に説明を受けていた。
"制限"として有名なのは「供託金」だ。福岡市長選挙に立候補するためには240万円を福岡法務局に供託する必要がある。供託金は選挙が終われば必ず返還されるわけではなく、有効投票総数の10分の1(供託金没収点)に達しない場合は没収される。さらに選挙カー・ビラ・ポスターの利用・作成にかかった費用の公費負担も行なわれない。供託金の制度は公職選挙において、売名や選挙妨害を目的とした立候補の乱立を抑制するという目的で設けられたとされている。しかし、日本の供託金は特に高額(アメリカ・フランス・ドイツでは供託金制度なし)で、被選挙権が資産の多寡によって制限を受ける、事実上の制限選挙になっているとの批判を受けている。ちなみに前回の福岡市長選挙(2006年)の供託金没収点は約45,736票。6人中3人が没収となった。
今回の説明会には8組の陣営が参加していた。余談だが、一時期9人目の立候補予定者が出馬するとしていたが、一身上の理由で辞退した。
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