2日目、馬山大学からバスで約2時間、山道を越えて慶尚南道(ケイショウナムド)の最西部河東郡(ハドングン)。大自然に囲まれた茶文化センターを訪れた。河東は、お茶の栽培に適切な気候のなか、約1,300年前からあるという野生茶畑で人口肥料を与えずに育てられたお茶で有名。そこで取れたお茶の葉から作った緑茶は昔、王にだけ進上されていたため「王の緑茶」と呼ばれていたという。また、その高い品質から2009年に、スローシティ連盟総会の公式指定特産品となった。この歴史と確かな評価を受けている河東のお茶作りを体験できる茶文化センターは、1階に資料保管室、2階には韓国茶文化の発展過程などが分かる展示館、緑茶だけではなく紅茶や茶食器などの販売コーナー、茶製造室がある。この2階にある茶製造室で韓国伝統文化体験会参加者と一緒にお茶作りを体験した。
韓国式お茶の作り方はまず、300℃もある大きな釜でお茶の葉をいぶす。その釜に入ったお茶の葉を焦げないように混ぜていく。ここでのコツは、下からかき混ぜなるべく空気さらすようにすること。この作業を約10分。 皆、額の汗を拭いながら初めての作業を楽しんだ。しゃべり声のなか、耳を澄ますとパチパチとお茶の葉がいぶされる乾いた音が聞こえ、何とも心地良かった。
その後、大体お茶の葉の水分がなくなってきた頃合を見て、そのお茶の葉を目の荒い麻の上で熱を取りながら葉の全体が丸くなるように素手で約5分ほどこねていく。これを乾かし、さらに80℃の釜で約2~3分いぶせば完成。
なお、河東では毎年5月に、韓国政府が文化・観光における最優秀行事として指定している文化観光最優秀祭りである「河東野生茶文化祭り」が開催される。この祭りでは茶文化だけではなく韓国の文化・自然を直接体験することが出来る催しが行なわれるという。
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