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【特別連載】積水ハウス50周年への提言~100周年へのさらなる飛躍を目指して(4)
特別取材
2010年10月18日 16:48

<環境問題について2>

 「京都会議」以降、世界は「環境の世紀」として新たな1ページを開いた。

 積水ハウスも世界の動きをいち早く察知し、エコ問題に取り組みを始めた
 しかし、「他社に先駆けて取り組んでいる」という自信が過ぎると、日進月歩の技術革新のなかで、新たなシステムの胎動を受け止める感覚が鈍ってしまうこともある。これには、注意が必要だろう。

 たとえば、トヨタは「プリウス」というガソリン・電気共用の先進的なエコカーを開発し、これが爆発的に売れた。しかし、そのために世界の動きの次なる一手、決定的に重要な動きがあることを、本質的な情報を見抜く力をなくしてしまった。
 アメリカ・オバマ政権はリーマン・ショック以降、「グリーン・ニューディール」政策を掲げ、「脱化石燃料」――「エネルギー構造の転換」を目指したのである。車で言えば、「ガソリン」から「電気」へと切り替える政策に切り替えたのである。
 今すぐに電気自動車が世にあふれることないだろうが、この政策は10年先を見越して打ち出されている。もはや世界は、電気自動車の流れになっていると言っても過言ではない。そのときトヨタは、後塵を拝することになるだろうと思われる。

 積水ハウスも「エコファースト企業」ということに奢ることなく、環境問題は国益そのものであり、世界とのバランスで価値基準が変わってしまうものであるということをしっかりと意識し、対策を打っていかねばならない。現在、エコについては「先進的」と言われていても、「インテリジェンス」が正常に機能していないとすぐに遅れをとるはめになる。

 「インテリジェンス」とは、企業の経営者が組織のカジ取りを行なうための情報を言う。リーダーが決断を下すための有益な情報が、組織内から的確に上がってくるシステムが構築されているかに、組織の命運がかかっている。
 良い情報しか上がらず、企業トップの感情を害するような悪い情報は上げない――そのような組織であれば、激しく動いている経済情勢にはとても太刀打ちできないだろう。

 他社に先駆け、いち早くエコ問題に取り組み始めた積水ハウスの先見の明には、すばらしいものがある。しかし、この自信過剰が世界の新しい胎動を敏感に受け止める感覚を鈍らせないよう、企業戦略として努めていくべきだろう。

【野口 孫子】

※これは積水ハウスにエールを送るものであり、誹謗中傷するものではありません


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