17日、福岡市中央区の福岡市民会館で、福岡市長選の立候補予定者が出席する『福岡みらいづくり2010~マニフェスト型公開討論会~』が開催された。主催は「ローカルマニフェスト推進ネットワーク九州」。
同会に出席した立候補予定者は50音順に、元福岡市議・荒木龍昇氏(58)、共産党推薦で西福岡・民主商工会事務局長の有馬精一氏(59)、元予備校講師・飯野健二氏(49)、元福岡市教育長・植木とみ子氏(61)、元会社員・内海昭徳氏(32)、元佐賀市長・木下敏之氏(50)、自民党支持の元アナウンサー・高島宗一郎氏(35)、民主党推薦の現職・吉田宏氏(54)。すでに3回、市長選に伴う公開討論会が開かれたが、8人の立候補予定者が討論会に参加したのは今回が初めて。また、高島氏と吉田氏は、市長選に伴う討論会に初の出席となる。
討論会ではまず各立候補予定者「吉田市長の市政運営4年間」についての評価が求めた。吉田氏は福岡市の市債残高を1,200億円削減した実績を強調し、自らの市政運営を「しっかりやれた」と評価した。
それを受けて他の立候補予定者からは批判が相次いだ。吉田氏の直後に発言した有馬氏は「公約違反の連続、行政責任放棄」と厳しい評価。市債残高を1,200億円削減した吉田氏の実績についても「吉田市長が特別なされたわけではない」と切り捨てた。
そのほかの立候補予定者も「情報公開が不足」(高島氏)、「停滞した4年間、問題の先送り」(荒木氏)、「リーダーシップ不足」(内海氏)、「公約違反、借金減らし優先」(木下氏)、「方向性が見えない」(植木氏)などと続いた。
会の途中では、アイランドシティ事業の継続を「公約違反」とする意見に対し、吉田氏は「約束したのはアイランドシティを市民の財産にすることだ」と反論する場面もあった。
一方、傍聴していた市民からは「現職の話も聞けて良かった。時間の関係上、ひとつの発言に関しての時間が短い」といった声も。戦後最多の8人が立候補する見通しとなった今回の市長選。選挙公約において類似する点が少なくはなく、討論会という相違点を見出す場でも各人に与えられた時間が短いといった弊害が起きている。
今後、政策や政治姿勢で独自性を明確に打ち出し、他との違いを市民へアピールすることが従来よりも問われることになるだろう。
【行政取材班】
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