<環境問題について3>
先日、住宅業界最大手の大和ハウスの全ページ広告が目についた。
キャッチコピーが「エコと言えば売れる、それは逆に危険なことである」であった。熾烈な 競争を続けている積水ハウスのエコ活動を意識してるのかもしれない。
背景には前号で述べたように、エコ、環境問題の本質を見誤ると、経営の根幹を揺るがすことになりかねないので、環境については慎重であるべきと言ってるのだろう。
さらに大和ハウスは述べている。われわれは環境負荷のゼロの家、CO2排出量ゼロの自給住宅の実現、そのための第一歩は、より長寿命の効率的な家庭用リチウム蓄電池の開発と言っている。電気業界を巻き込んだ、具体的目標を掲げて、環境問題に取り組む姿勢を明確に示している。
積水ハウスも同様、環境負荷ゼロの住宅の開発に取り組んでいるだろうが現状は、会社挙げての、「エコファースト企業」を前面に出して、エコに対する取り組みの活動、姿勢をアピールし、他社との差別化を図ってるように思える。
今、トヨタのプリウスに代表されるエコカーのように、住宅にもCO2排出ゼロか、半分で、コストも高くならない商品の開発が急がれる。
技術的にも困難を伴うので、現状は、各社、まだまだ試行錯誤の状況だろう。
一方、世界に目を向けると、アメリカは「グリーン・ニューディール政策」、風力、太陽光発電などの自然エネルギーで、2025年までにCO2を25%削減する目標を立てている。 しかしアメリカは排出権取引義務のある「京都議定書」には参加していない。大量排出国の中国やインドも参加していない。
参加しているEU、ロシア、東欧州は主たるエネルギーが石炭であるため、削減目標はほぼクリアーすると言われている。
日本は省エネは世界1進んでいるので、さらなる削減は難しく、不足の排出権を他国に支払わねばならなくなるはずだ。お人よしの日本はEUにいいようにやられているのである。
日本政府は2011年には削減量を各産業界に割り当て、業界は各社別に割り当てることを導入する見込みである。
鉄鋼、電力と違い、住宅業界には割り当ては少ないだろうが、積水ハウスのように省エネを進んでいるメーカーは不公平という議論も出るだろう。
【野口 孫子】
※これは積水ハウスにエールを送るものであり、誹謗中傷するものではありません
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