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福岡への提言

「知識を知恵に昇華させる人材育成を」~(株) アサヒ製鏡・稲光氏
福岡への提言
2010年10月19日 17:35

<ガラス工事のリーディングカンパニー>

博多区吉塚にある本社社屋 「景気には波があるのですから、嘆くことに意味はありません。竹が節を作るように、伸び悩む時期にどれだけ足場を固めることが出来るか。それが会社の行く末を決めるのです」と語るのは、「株式会社アサヒ製鏡」の新社長に就任した稲光大司郎氏。地場ガラス業界で名を知らぬ者はない同社を、長年の間、営業サイドから率いてきた人物だけに周囲の期待は高い。満を持して社長に就いた稲光氏は、従来の枠に収まらない攻めの姿勢で人材育成に手をつけようとしている。
 同社は、博多区吉塚に本社事務所を構える鏡・ガラスなどの加工販売会社である。設立は高度経済成長期(55年~73年)真っ只中の1963年9月。商才に長けた初代社長の故・上原松一氏は、時代の風を読んで瞬く間に事業規模を拡大。「旭硝子サンミラー」の特約店として全九州に販売網を広げていった。
 オイルショック後の1975年には「旭硝子AIS」代理店となり、店舗内装(店装)市場に本格的に参入することになる。店装用のガラスは住宅用の汎用品とは異なり、基本的には一点もので短納期。利益率こそ高いが特殊な加工技術を要するためにリスクも高く、同業他社が進出に二の足を踏む分野であった。ハイリスクの新分野に挑む苦労は生半可なものではなかったはずだ。しかし、同社は大きな利益の大半を設備投資に回すことで最新鋭の技術を積極的に導入。顧客の信頼を獲得し、九州におけるシェアにして5割を獲得するに至る。同社が、市場を切り開いた「リーディングカンパニー」と呼ばれる由縁である。そして、その成長を営業面で支えた人物こそが稲光氏であった。

<人材育成の鍵は『情報』にあり>

 しかし、トップシェアを誇る同社をしても、この消費不況を乗り切ることは容易ではない。それは、九州における中核都市としての地位を不動のものとしながら、更なる発展に迷いを見せる福岡の姿とも重なる。事態の打開を図る一手は何か。稲光氏は「人材育成」の重要性と「情報」の扱い方について、ひとつの方向性を指し示す。「激動の時代に求められる指導者像は、戦国武将のように、人を率いつつ自ら物事を切り開く人物です。企業では経営者や営業部門の幹部クラスであり、その底上げが必要です。そして、その際に最も重要なのは『情報』を駆使できる人間、いわゆる『参謀・軍師』をどう育てるかです。『情報』は整理すると『知識』となり、切り口を変えて見ると『知恵』になります。普段の活動で得た些細な情報をきちんと整理して蓄え、感性を磨く訓練を積めば見えなかったモノも見える様になってきます」(稲光氏)。社員に出来るだけ多くの情報に触れさせるため、異業種間交流を活発に促し、定期的に「情報収集表彰式」を行なう。情報に対する姿勢は徹底しており、時代の先を見据える人材の育成に余念が無い。
 「今の時代ほど戦略性が求められている時代はありません。戦うべきは他社ではなく、時代の変化と自分自身です」と語る稲光氏の姿勢には、パイオニアとしての自負が垣間見える。トップを走る人や企業は、他に手本を求められない。それは都市も同じだ。自らを作り出していく力こそが、福岡に求められているのではなかろうか。

<プロフィール>
稲光 大司郎 (いなみつ だいしろう) 稲光 大司郎 (いなみつ だいしろう)
1944年11月生まれ、学卒後、貿易会社勤務を経て75年、「アサヒ製鏡」入社。88年12月、常務取締役に就任。09年11月、代表取締役に就任し、現在に至る。

<会社概要>
(株) アサヒ製鏡
代表者:稲光 大司郎
所在地:福岡市博多区吉塚3-28-23
設 立:1963年9月
資本金:5,000万円
TEL:092-611-0336

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