<環境問題について4>
環境の問題にしろ、経済の問題にしろ、スポーツの問題にしろ欧米に有利なように、世界のルール、枠組み、を決められてしまう傾向が強い。グローバルスタンダードと、もてはやされたルールも、実はアメリカンスタンダードあり、単にグローバルと言い換えているに過ぎず、アメリカに有利になっている。CO2の排出権もEUに有利に決められ、スポーツでも、スキーのジャンプ、水泳の平泳ぎ、柔道のルールなど欧米に有利なようにきめられているケースは多い。
欧米は自分たちの都合のいいように枠組みを作る能力は非常に高い。環境について、欧米、その他の国は、日本が営々と蓄積した富を吸い上げようとしているように思える。世界で一番進んだ省エネ技術で、温暖化防止に努めているにも関らず、さらに高い目標を押し付けられ、目いっぱい努力しても、これ以上の削減ができない分、不足分を他国から購入せねばならない。日本の企業はますます国際競争力を落とす羽目にもなるだろう。環境問題はこのように国際間の激しいせめぎ合いになってることを肝に銘じておかねばならない。積水ハウスも日本国の一企業であることを理解しておかねばならないと思う。
今、名古屋でCOP10(生物多様性条約第10回締結国会議)が開催されている。ここでも、先進国と開発途上国とが激しいつばぜりあいを行っている。「生物の多様性」とは聞きなれない言葉だが、CO2による地球温暖化に加えて、生物の多様性の問題がクローズアップされ、環境問題に新たに加わったのである。地球上の生物がバラエテイーに富み、複雑な多種多様の生態系を作っている。人間の営みで自然環境は悪化し、刻一刻と、これまでにない速さで自然環境は失われつつある。人類にとり、多くの生命にとり、欠かすことのできない大きな土台の生物多様性を壊しているのを止めようと、国連が力を入れている国際会議である。積水ハウスはすでにこの問題にも、いち早く対応を試みている。
【野口 孫子】
※これは積水ハウスにエールを送るものであり、誹謗中傷するものではありません
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