<海外事業戦略について1>
積水ハウスは海外事業を次の柱に据えようと、模索をしている。
その背景にあるのは日本経済の凋落の一途にあると考えられる。
2009年度の住宅着工数は80万戸を割り込んだ。
これは45年前の数字、日本経済の行く手には暗雲がたちこめ、日本国民に、住宅を購入しようという希望も失わせてしまっている。
このまま、日本国内だけにとどまっていいのかという不安もあるのだろう。
日本の人口は、試算では40年後に現在の人口1億2,700万人が1億人に20%減少すると予測している。
日本経済は縮小傾向にあると認識すべきだろう。
また、昔は景気対策として、住宅投資に莫大な優遇措置を行い景気回復の目玉政策としていたが、今は住宅3,000万位の購入に30万のエコポイントでは、自動車の20万、家電の2万のエコポイントと比べ購入額の10%と1%と差がある。住宅の購入額には少なすぎ、効果はほとんど期待できないだろう。
こうした中、積水ハウスが事態を打開するため、果敢に、先を見越して、海外に進出しようという姿勢を評価するものである。
今、一番問題なのは、先行きの希望が見えない、そのため、新しいチャレンジができないでいる日本人の弱気のことだ。リスクを冒すことから逃げ、従来路線で安心し、従来のやり方に若干のプラスをするだけで、冒険をしない、したくないこの安定志向、冒険の喪失こそが、大きな問題であり、現状の危機を突破できない原因でもある。
今の若者が海外に留学したり、海外勤務をしたがらないのは、現状の安定志向が強いからだろう。すべてが内向きに向かっている中、果敢にチャレンジする積水ハウスにエールを送りたい。
しかし、過去、積水ハウスの先人たちは当時の西ドイツに進出し失敗した歴史を持っている。
時代こそ違うが、過去の轍を踏まないよう、教訓を生かせるかが成功のカギだろう。
【野口 孫子】
※これは積水ハウスにエールを送るものであり、誹謗中傷するものではありません
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